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日欧フレンドシップウィーク ~古典とトークで西洋知る~

 本学附属図書館が、東北地方で唯一の「EU情報センター(EUi)」であることをご存じだろうか。EUiとは、欧州委員会出版局が発行するEU公式資料をEUの認定を受けて所蔵する図書館のことで、地域にEUの情報を公開する役割を担っている。

 今回はそんな本学附属図書館が主催する、今年度の日・EUフレンドシップウィーク展示(EU展)「書庫のなかのヨーロッパ―人文学者のよこがお―」と、その一環として先月5日に催されたカフェトーク「暮らしてみたい! ヨーロッパ」について、企画実行委員会の皆さんに展示の趣旨やトークの詳細を伺った。

 本学は日本の西洋史研究の黎明期を担った歴史を持つ。本学附属図書館でも、美学・西洋美術史を専門として自身の蔵書に特徴的な絵の書き込みを残した児島喜久雄をはじめ、西洋史の大類伸やフランス文学・古典文学の河野與一といった、本学ゆかりの人文学者たちの蔵書を、個人文庫として寄贈を受けて所蔵している。個人文庫には研究者たちの思考の跡がそのままに残るため、それらの調査を通じて本学とヨーロッパとのつながりをひもときたいと考えたのが、今回の展示の発端だという。

 作業は文庫 の内容を把握することから始まった。その際には、一個人の蔵書であっても書籍の分野が広く、調査は簡単ではなかったという。フランス文学を専門とした河野の個人文庫には、ロシア文学やラテン文学に関する書籍が多く含まれていた。そこで、同じくフランス文学を専門とする学生と、ロシア近代史を専門とする学生や古代ローマ美術を専門とする学生が、共同して調査に当たった。このように、分野や用いられる言語が各々の専門と異なる書籍も多く、分野をまたいで互いに補完し合いながら調査を進めたそうだ。一般に向けて展示の内容を絞るのは難しかったが、約1世紀も前にヨーロッパに留学し、日本の西洋史研究の礎となった人文学者たちの足跡を追うことができたと委員会の皆さんは話した。他にも岩波文庫の創刊に際して児島が手掛けた装丁や、ヨーロッパにおける最初期の活版印刷物(インキュナブラ)と目される本学所蔵の貴重本が展示され、本学の人文学研究の歴史と今を感じることができる。

 カフェトーク「暮らしてみたい! ヨーロッパ」に登壇したのは武関彩瑛さん(文・博士2)と瀬戸はるかさん(文・博士2)、玉田優花子さん(文・博士3)の3人だ。コーヒーとお菓子が用意された和やかな雰囲気の中、各々がナポリとフィレンツェ、リヨンでの留学経験を楽しげに語った。学生主体でEU展の実行をするのは今回が初めてであり、カフェトークならば主催者とオーディエンスとの距離を近づけられると考えたそうだ。

 留学には周囲の不安や卒業が遅れるといった懸念もあるが、研究対象の現物や日本にはない資料に触れることができる上、現地で得られる語学力や人間関係はかけがえのない収穫であるという意見は3人に共通していた。瀬戸さんは「在フィレンツェドイツ美術史研究所で、修士論文のための西洋美術史に関する資料、特にイタリア美術史に関する二次資料を所蔵する現地の研究所に通い、実際に多くの貴重な資料を集めることができた」と留学でしか得られなかっただろう成果を話した。

 また、海外では気候や文化、言語などのさまざまな隔たりに直面するが、結局はそれらに適応せざるを得ない。そんな環境が広い視野を育むそうだ。「時間・空間的に広いものに触れる経験がグローバルリーダーとしての資質につながる」と玉田さんは語った。

 また、武関さんは「本学は留学制度が非常に整っている、利用しない手はない」と言う。本学では大学・部局間交流協定に基づく交換留学をはじめとし、多くの留学制度が用意されており、比較的容易に海外に踏み出すことができる。留学に興味のある学生にはぜひ利用を考えてみてほしい。
キャンパス情報 2313139817612684300
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