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【ニュース】本学開発スーパーコンピューター「AOBA」運用開始 ~容易に研究に応用も~

  今月1日から、本学で新しいスーパーコンピューターの運用が開始された。愛称は、「AOBA(あおば)」。一般公募による346件もの応募の中で、支持する声が最も多く、親しみやすい名前であることから採用された。



 本学が開発するスーパーコンピューターに共通する特色は、計算処理速度である演算性能と、データ供給速度であるメモリ性能のバランスが優れている点である。多くのスーパーコンピューターは演算能力を追求するあまり、メモリ性能が釣り合わず、その性能を十分に発揮することができなかった。本学では、メモリ性能の重要性に着目し、その能力の向上を図ることで、「真に役立つスーパーコンピューター」の開発に尽力してきた。「AOBA」は本学のスーパーコンピューター開発の方針を顕著に反映している。


 「AOBA」の特長は、高い性能と使いやすさを兼ね備えている点だ。演算性能は、通常のパソコン一台の千倍以上。さらに、スーパーコンピューター専用の特殊な環境や特別なプログラミング言語も必要としないため、研究に活用しやすくなっている。


 本学サイバーサイエンスセンターの滝沢寛之教授は、「従来のスーパーコンピューターの基本的役割は、現実では実験不可能な事象のシミュレーションだったが、近年ではデータサイエンスや機械学習も担うようになっている」と話す。「AOBA」はスーパーコンピューターの役割の変遷に即し、それらの分野も強化しているという。


 本学は、これまでもスーパーコンピューターの優れた演算性能を生かし、さまざまな研究に取り組んできた。そのうちの一つが、東日本大震災の経験をもとに、本学災害科学国際研究所等との共同研究によって開発された、津波の浸水被害予測である。地震発生後20分以内という極めて短時間で、津波の被害をシミュレーションすることができる。被害情報の把握が難しい状況の中で、救助隊の派遣先や派遣人数などの立案に役立てることが目的だ。このシミュレーションを活用することで、より迅速かつ効果的な救助活動が期待される。この研究は「AOBA」を使用し、今後も継続して進められるという。


 サイバーサイエンスセンターでは、今後「AOBA」の紹介動画をインターネット上でオンデマンド配信する。滝沢教授は「AOBA」について、「科学技術の発展に本当に貢献できるスーパーコンピューターとして、今後活躍してくれることを期待している」と語り、笑顔を見せた。

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