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【調査】大学受験の地方格差 「格差があったと思う」8割超 ――移動の負担、塾・予備校の不足...「教師や親のサポート」も「どうしようもない」「なるがまま」

  さまざまな地域出身の学生が集まる本学だが、特に近年、関東圏出身者の増加が著しい。本学ホームページで発表されている2024年度の入学者出身地区別内訳によると、関東地区出身者が最も多く39・4%を占めている。本学以外の旧帝大においても関東地区出身者は増加傾向にあるが、その一方で、マスコミなどを中心に地域間の受験格差を指摘する声も高まっている。

 そこで本紙は東北大学に在学する全ての学生のうち、東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)以外の地域出身の学生を対象にアンケート調査を実施。東北大生の実体験や格差に対する意識を探った。先月7日から13日までの期間中に、58件の回答を得た。

■地方から難関大学を受験するにあたっての苦労

 「地方から難関大学を受験するにあたって苦労したことはあるか」という設問に対して、最も回答数が多かったのは「入試の度に移動しなければならなかった」ことで、29人に上った。次に「塾や予備校が少なかった」の19人が続き、「苦労したことはない」が17人で3番目に多かった。他に「県内有数の進学校だったにも関わらず、受験に必要な科目を全てとることができなかった」「模試を受けるために県外の予備校に行く必要があった」などの回答もあった。

 そういった障害をどのように乗り越えたのかという設問に対して、「教師や家族からの協力」をあげる学生が複数見られた一方、「どうしようもないと受け入れていた」「なるがままに。乗り越えられた実感は伴わなかった」などの声もあった。移動の負担を減らすため、私立大学の受験を断念したという学生もいた。

■高校による違いも

 先の質問への回答で、教師からの協力に助けられたとの声があったように、高校の支援による影響が大きいことは想像に難くない。そこで本調査では、進学校を「東北大学をはじめとする難関大学への進学を推奨し、その受験に特化したカリキュラムを行う学校」と定義。進学校出身の学生と、非進学校出身の学生の回答を比較した。なお、自身の高校を進学校だと感じていた学生は42人、進学校ではないと感じていた学生は16人だった。

 「出身校のカリキュラムは、難関大学を受験するにあたって十分な内容だと感じていたか」という設問に対して「そう思う」と答えた割合は、進学校出身の学生だと81%に上った。他方、非進学校出身の学生のうちでは50%となった。

 自身の周囲にいた難関大学を目指す受験生の数も、進学校の方が多い傾向があった。一方、そのような仲間の存在がモチベーションの維持に役立ったかという設問への回答は、進学校・非進学校どちらも「とてもそう思う」「そう思う」が約8割を占める結果となった。

 「受験生のころ、地方出身であることで受験が不利になると感じていたか」という設問への回答は、進学校・非進学校共に「全くそう思わない」が最も多かった。しかし、「受験生時代を振り返って地方と都市部では大学受験をめぐる格差があったと思うか」という設問になると、「とてもそう思う」「そう思う」と回答した学生は、進学校で93・8%、非進学校で83・3%と、大きく増加した。

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