【インタビュー】高度教養教育・学生支援機構理学研究科 冨田知志准教授 物理は学んで問うものへ
とみた・さとし
本学高度教養教育・学生支援機構准教授。同大学院理学研究科物理学専攻量子光学研究室にも所属。
高校での学習を通して物理に興味を持った人もいるだろう。一方で、物理に苦手意識を持っている人も少なくないはずだ。大学における物理学という学問や本学で研究を行う魅力について、本学高度教養教育・学生支援機構(兼・大学院理学研究科物理学専攻)の冨田知志准教授に話を聞いた。 (聞き手は長田悠真)
―研究内容は
メタマテリアルという、天然物質ではあり得ない性質を持つ人工構造物質を研究しています。メタマテリアルを用いることで光を通常と異なる負の方向に屈折させることができたり、透明マントができたりします。
―メタマテリアルに興味を持ったきっかけは
博士研究員(ポスドク)になり、新しく研究するテーマを探していたときに、メタマテリアルを使って屈折率を負にすることができるという研究があることを知りました。メタマテリアルが可能にする常識破りの性質を魅力的に感じました。また、最先端の研究に挑戦したいと考えていたので、この分野に進みました。
―高校と大学での物理の違いは
一番の違いは、高校の物理は「勉強」だったのが、大学に入ると「学問」に変わるということです。大学からはやりたい人だけがやるようになり、文字通り、学んで問うものになるということです。
また、高校までの物理は公式を覚えて代入することが多いのに対して、大学では覚えるための公式は出てきません。数学とは違い、大学物理で出てくる式は、最先端になるほど今後変わっていく可能性があり、公式として存在することができません。大学の物理は、高校のように習って理解するだけのものではなく、新しく創るものになっていきます。
―文系の学生が物理を学ぶ意義は
文系の学生こそ物理などの自然科学をある程度知らないとこれからの問題には対応できません。我々が今、直面しているさまざまな問題は非常に複雑で、それに対して文系の人が正しく判断していくためには、自然科学の知識も満遍なく身につけることが必要です。
―本学で研究する上での魅力は
大きい大学であるためいろいろな人が集まっていることが一番の魅力です。さまざまな学部があり、さまざまなことをやっている人がいるのでおのずと面白い人も多いです。たくさんの人が好き勝手にやりたいことができることが重要です。すると大学は、いざ何かが起きた時に対応できる人が必ずいる存在であれます。
また、僕が思う本学の魅力の一つは川内北キャンパスの食堂「クルール」の自家製カレーがおいしいところです。他の大学の学食よりも明らかにおいしいです。
―本学を志望する高校生へメッセージ
大学は高校までの学校とは全然違う場所なのでその覚悟をしてきてください。大学は良くも悪くも非常に自由な場所なので、大学生活を楽しいと感じる人もつらいと感じる人もいます。その覚悟をしてから大学に来てくださいね。
