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【インタビュー】全日本大学女子駅伝 東北学連選抜主将 鈴木絢子さん

 仙台市で1026日、全日本大学女子駅伝(以下全女)が開催された。本学からチームとしての出場は無かったが、個人で東北学連選抜の選手として活躍した選手がいた。鈴木絢子さん(農・4)だ。1年生の頃から学連選抜に選ばれ続けた。4年間挑み続けた全女への思いを聞いた。

 今回鈴木さんが走ったのは6区間中の5区だ。先頭が通過して10分が経過すると前の区の選手が到着するのを待たずに走りださなければならないという繰り上げのルールのもとで、10分後ちょうどにタスキを受け取った。

 「繰り上げ30秒前です。残った選手の方は白タスキをして並んでください」。告げられたときは頭が真っ白になった。スタートラインに並び、じっと待つ。残り20秒、と声が聞こえる。じりじり迫る繰り上げ。残り10秒。そのとき、4区の選手が現れた。 

 見えた瞬間、白タスキを脱ぎ捨てた。運営役員たちが困惑するのも構わずに、夢中でタスキを受け取った。次の中継点に着くころにはもうこれを渡す相手はいないかもしれない。「それでも限界まで繋ぎたかった」。第5中継点へ到着し6区の選手が繰り上げでスタートしたことを知った瞬間は無感情だったが、取材を受けながら涙がこぼれた。

 これまでの4回は全て鮮明に記憶に残っている。初めて出場し「全女を走れる!」という喜びと緊張でいっぱいだった1年目。次の年は6区間中で最長の9・2kmを走るコースを任されることに。経験したことのない距離に「できるわけない」と思いながらも、走ってみればあっという間で、大きな充実感を味わった。

 去年はけがやスランプにあえいだ。出場こそしたものの、タスキを受け取った時点で繰り上げの約1分前。1位との時間差を詰められず、区間の中継点で待つ人がいないのを見てタスキを握りしめて泣いた。だからこそ今年タスキを「繋ぐ」ことの意味は大きかった。

 全女で東北地方のチームが好成績を取ることは難しいという。力のある選手は関東や関西の強豪校へ進学してしまうからだ。「それでも東北学連選抜の存在によって少しでも上を目指す選手が現れれば」と鈴木さんは来期結成されるチームの健闘を願う。所属する学友会陸上部へも、チームとして全女や全日(*)出場へ挑んでほしいと期待をかける。「競えるようなタイムを持っていないからというのは、勝利を目指さない理由にはならない」とは自らが先輩の奮闘する姿を見て感じたことだ。

 11月中は市内の記録会や県主催の女子駅伝に出場し、12月以降は後輩の指導に徹するという。肩にかけたタスキを次へ託そうと、4年間のゴールへスパートをかける。


(*)全日……全日本大学駅伝


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