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【新入生歓迎インタビュー】最高裁判所裁判官 池上政幸氏 ~変わる仕事と変わらぬ思い~

 



  平成26年10月に最高裁判所裁判官に任命された池上政幸氏。本学法学部卒業後に検事に任官する。司法府トップの判事に任命された池上氏に、お話を伺った。








―本学法学部を選んだ理由を教えてください
 私は、仙台で生まれ育ったものですから、小学生の頃から東北大学は憧れの大学だったんです。また、中学生のとき、生徒会活動に参加し、ルールを守ること、より良いルールを作ることが好きだったので、自然に法学部を選んだという記憶です。法学部で何を学ぶかを知らないまま入学しましたが、自分が法学部を選んだことは、その後の法曹としての職業生活を含め、良い選択だったと思っています。


―どのような学生生活を過ごしましたか
 高校時代から軟式庭球部に所属し、大学でも学友会軟式庭球部に入りました。非常に厳しい練習だったので、かえって勉強が癒しになっていましたね。当時は教養学部で二年間学ぶのですが、一般教育科目と外国語が中心でした。そして、2年次からようやく教養部の授業と平行して専門の授業での法律学の講義を聞いたのですが、どの科目も物事のとらえ方や考え方が新鮮で、たいへん興味深かったことを覚えています。

―卒業後、なぜ法曹の道を選んだのですか
 東北大には良い教授が集まっており、また自分が法学に惹かれていたこともあって、いつのまにか司法試験の合格を目指しました。しかし、当時の仙台には予備校は無く、独学で頑張るしかなかったんですね。庭球部を大学4年の秋までやりきり、一年留年して何とか合格しました。

―なぜ検察官を選んだのですか
 法曹三者の中でも能動的で公的な仕事をしたかったんです。裁判官は、検察官や弁護士から提出された証拠をみて判決を下します。検察官と比べてどちらかというと裁判官の仕事は受動的です。一方で、検察官は事件の証拠を集めて、いかに裁判官を納得させるかが求められます。証拠に基づく事実関係を分かりやすく主張しなければならないので、様々な工夫が必要です。訴えの提起が無ければ訴訟が始まりませんから、その意味でも検察官という仕事は能動的で私に向いていると思いました。もちろん裁判官の仕事がつまらないという訳ではありません。私は現在、最高裁判所の裁判官をしていますが、検察官とは違う仕事の面白さを感じています。ソフトテニスで例えるならば、検察官はプレイヤーで裁判官はジャッジ、どちらも重要です。特に最高裁は証拠などの事実関係でなく法律問題を中心に扱うので、判断者としての側面が強いですね。

―検察官時代と現在とで、どのように仕事が変化しましたか
 最高裁判所の裁判官は職業裁判官や弁護士、学者など出身が様々です。そのため15人の最高裁判所裁判官は色々な視点を持っています。自分とは違った視野を持つ人と話し合うことは、新たな学びになります。より良い裁判をするためにもそのことは必要であり、非常にやりがいを感じています。

―最高裁判所裁判官を務める中で、大変なことを教えてください
最高裁の判決は、国民の権利義務関係などへの影響力が非常に大きいと考えています。責任は重く、身が引き締まる思いです。

―信念と座右の銘はなんですか
判事という仕事をしていく上で、おかしいと思ったら自分が納得するまで考え、その上で他の裁判官と話し合うことに努めています。法律には必ず、貫かれている理念があります。それを読み取ることが重要です。私の座右の銘は「激せず、躁(さわ)がず」です。落ち着いて裁判に臨んでいるか、常に自分を顧みることが大切です。

―最後に、新入生に一言お願いします
東北大学は良い教育、研究の場であるので、学業に励んで人生の土台を築いてください。あまり焦って勉強するのではなく、じっくり学ぶ姿勢が東北大生の良さです。また、自分の専門分野だけではなく、学部をまたいで幅広く学んでおくべきですね。様々な分野を学ぶことが人生の土台になると思います。

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