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【復興の今】3年目を迎える東北復興農学センター



 農学研究科の東北復興農学センターは今年で開設3年目を迎える。被災地の農業復興を先導する人材育成に取り組む同センターについて取材した。



 同センターは、平成264月に農学研究科内に開設された。「復興農学マイスター(CAR)」と「IT農業マイスター(CAIT)」の二つのコースを用意し、これまで延べ155人をマイスターに認定した。マイスターになるにはコース共通で10回の講義を受けるほか、CARは川渡フィールドセンターへ行って農業に関する最先端を学ぶフィールド実習を、CAITは農業へのIT活用について体験するIT農学実習を受ける必要がある。この講義は大学での講義と異なり、冒頭の30-40分程は教員からの講義が行われるが、残りの1時間は教員が提示したテーマでディスカッションをする。これにより教員と受講生による双方向の講義が実現される。この形式により、コース修了後に現場で活躍する知識だけではなく、ディスカッション能力を身に着けることを目指している。

 第1〜第2期修了生は既に様々な活動を行っている。2014年から2年続けて、東北大学の川渡フィールドセンターで育てた米「東北大にひとめぼれ」の企画販売を東北大各キャンパスの大学生協で実施したほか、第2期の修了生は、農家の顔が見える弁当の開発に取り組んでいるという。

 被災地の現状について副センター長の中井裕教授は「被災地は外見では復興しているが、まだ解決されていない問題が多い。その中で最も大きいのは人材不足だ。(同センターでは)農村や被災地における農業分野で活躍する人材の育成に努めている」と語り、同センターの果たす役割を語る。震災当初は企業などから多くの人材が被災地に派遣されていたが、現在では引き上げているところは少なくない。農村の復興には、農業とビジネスの両方に関して知識がある人材が求められている。

 同センターは今年も受講生を募集した。どのような人を求めているかについて中井教授は「多様な人材が必要。学ぶ意志を持っていれば専門性は関係ない。農学部以外の学生も大歓迎」と話す。同センターが農業と農村復興の縁の下の力持ちとなれるか、成果が試されている。


問い合わせ先
東北大学大学院 農学研究科
東北復興農学センター事務局(安住、大村)
TEL/FAX:022-717-8934
E-mail:tascr-agri*ml.tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)

HP:http://www.tascr.agri.tohoku.ac.jp
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