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【特別インタビュー】国際連合大学(UNU)上級副学長 武内和彦氏

 今年は日本が国際連合に加盟してから60周年を迎える。国連の機関である国際連合大学(UNU)上級副学長の武内和彦さんに話を伺った。


―UNU上級副学長になった経緯は
 UNUは日本に本部をもつ国連機関であることから、日本の学術界や文科省・外務省などの省庁につながりがある人が求められていました。私は小宮山宏東大総長の推薦により公募に応じ、審査を経て副学長に就任しました。審査で重視されたのは、学術面での国際的な貢献、国際組織での活動、管理職の経験、外部資金を獲得できるか、などでした。

―仕事内容は
 私は東京大の教授も兼務していて、両方を往復しています。UNUでは、国際機関、特にユネスコやFAO(国連食糧農業機関)との連携強化やサステイナビリティ学の推進などに取り組んでいます。またガーナにあるUNUの研究所との連携にも力を入れました。いまも、JICAや科学技術振興機構の支援により北部ガーナで気候・生態系変動適応戦略に関する共同研究を実施しています。
 東京大ではサステイナビリティ学連携研究機構に所属し、UNUの仕事と掛け持ちしており、他にも多くの兼職があるので、スケジュール調整が大変です。海外出張だけでも年間約20回になります。

―UNUの意義は
 UNUは国連のシンクタンクであると同時に大学としての機能ももっています。国連やその加盟国が抱える課題解決に向け学術的に貢献することがUNUの役割です。

―どんな学生時代だったか
 学園紛争が盛んな時代だったのであまり授業がありませんでした。また理系に入学しましたが、自分は文系向きだと思うようになり、理系でも文系に近い地理学科に進みました。そこで私は俯瞰的な物の見方を学びました。
 ただ、当時の地理学教室には「社会のあるべき姿を語るべきではない」というポリシーがあったのですが、私は実社会のためになることを学びたかったので、農学系研究科の緑地学研究室に進学しました。

―アフリカについて
 私は30代前半に、アフリカのサバンナ形成過程についての海外学術調査に参加しました。その時の経験が今も大いに役立っています。アフリカでの研究には現地の諸事情に精通している必要がありますが、若い頃の体験は困難な状況で何とか切り抜ける知恵の源泉となっています。

―東北大生に一言
 東日本大震災以後、東北大の震災復興に果たす役割は大きいものがあります。またこの経験は、世界の防災・減災戦略や災害に強いまちづくりなどにも大きな影響を及ぼしています。東北大生には、こうした取り組みに積極的に参加してもらいたいと思います。
特別インタビュー 8946949766623309252
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