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【特別インタビュー】生物学者・早稲田大学教授 池田清彦氏 ~将来像見据え、自分の魅力信じて~

 生物学の研究の第一線で活躍し、東北大学祭の最終日に講演を行った、早稲田大学教授の池田清彦氏にインタビューを行った。




―今回の講演会の感想は

 昆虫の話に限らず様々な話ができて楽しかったです。聞いていた学生もまじめでした。講演会は頭の話を一つ二つ考えるくらいで、特に何も考えずに話しています。

―東北大学の印象は

 東北大学に来たのは初めてでしたね。でも宮城には、講演会で何度かお邪魔したことがあります。地方の学校ということもあって、落ち着いています。校舎もきれいでした。

―大学生活はどのように過ごしていたか

 1年生のうちは授業を受けて、夏は北海道や西表島に行っていました。でも1年生の後半からは学生運動が活発になって、授業がなくなってしまいました。その時は麻雀をしたり、図書館で本を読んでいたりしましたね。自分で勉強するほうが授業よりよっぽど楽しいものでした。修士論文を作成したときは、宮城県の小牛田の山で3、4カ月フィールドワークをしていて、宮城の友達の家に居候させてもらっていました。そこで仕事の合間にいろいろな昆虫を捕まえていましたね。

―学者になったきっかけは

 もともと小学生のころから昆虫が好きで、小学校の卒業文集でも「昆虫学者になりたい」と書いていました。同級生には笑われましたけれどもね。入学した東京教育大学には昆虫分類について学べるところがなかったので、生物の生態について学んでいました。

―東北はどんな場所であってほしいか

 今は東京に一極集中している状況ですけれども、地方から新しいことを発信していける場所であってほしいです。インターネットも発達してきているから、仕事をするにしても東京である必要はありません。アイデアがあれば良いのです。

―池田氏から見て、現在の大学生はどのように映っているか

 学生運動が少なくなってきていますし、学生自体もまじめになったなと思います。この傾向は国が安定している証しであると受け止めています。しかし、もう少し政治に興味を持ってほしいですね。

―若者に望むことは何か

 何になりたいかということをよく考えてみてほしいです。それと、好きなことよりは得意なことを仕事にして、好きなことは趣味にとどめておくのがいいと思います。好きなことを仕事にしていると、好きでなくなったときに大変でしょう。自分にどんな才能があるかは自分では意外と分かりませんから、誰かに聞いてみた方がいいですよ。

 あとは、学歴とか血筋とかにコンプレックスを感じないでほしいです。こういったものを気にしている人はろくな人間にならないでしょう。自分の魅力を信じて頑張ってください。
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