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【ネタ記事】ドラマ「中学聖日記」鑑賞会 ~最終回だけでも楽しめるか!?~

 先月某日、筆者には翌日に控えたイタリア語のテストよりも重大な任務があった。そう、それは、それまで見たことがなかった、TBS系ドラマ「中学聖日記」の最終回を見ること。事の発端は、最終回の放送数日前に本ドラマ溺愛編集長が中学聖日記鑑賞会を提案したことにさかのぼる。その際に付け足された「参加者には鍋をご馳走する」との文言にまんまと引っかかったのだ。


 一度は最終回までの全話をチェックしてから鑑賞会に挑もうか悩むものの、面倒くさがり屋である筆者は何の予習もせずに最終回を見ることに決めた。こうして、鑑賞会までのあらゆる労力を惜しみまくって迎えた当日。参加者は筆者を含めて5人。その中の1人、Nは筆者と同じく最終回からの視聴だ。道連れ、いや仲間がいるのは心強い。

 放送開始時間が迫るにつれ、落ち着きを失う面々。編集長は1週間前から早くもロスに苦しんでいたそうだ。恐ろしい気の早さである。

 いざドラマが始まると、今まで見たこともないほど真剣な表情を見せる参加者たち。編集長は興奮のあまり「暑い」と言って上着を脱ぐほどだ。かくいう筆者は1人脳内あらすじ推測大会に奮闘する。しかし、今を時めく芸能人の顔が同じように見えて仕方ない。他の参加者に助けを乞えば「おばあちゃんみたい」との声。筆者の顔識別能力が絶望的なことが露呈した。

 こうして苦心しながらも、企画であることを何度も忘れ見入ってしまうほど夢中になった。物語はあっという間に終わりに向かい、一同は固唾を飲んで感動のラストを見守る。すると突然筆者の視界がかすむ。涙だ! 初めて見たドラマの最終回で泣けるとは……。本ドラマの面白さを知ると共に、よわい二十歳にして早くも涙腺の開閉機能がユルユルであることに不安を覚える。しかし、視聴開始からドライアイに苦しんでいた筆者にはありがたいサプライズ。貴重な水分を逃さぬよう、天を仰いで乗り切った。

 ついに最終回は終わり、一同はしばし沈黙し余韻に浸る。他の参加者たちが帰り支度を始めても編集長はうつろな表情を浮かべ、虚空を見つめていた。彼が一刻も早くロスから立ち直れることを願ってやまない。

 結局筆者の中には、視聴中に推測した、最終回に至るまでのいくつものストーリーの可能性が残された。しかし、あえて答え合わせは行わない。なぜなら、物語に正解はないから……と、急に良い話のようにまとめて鑑賞会の感想を締めることにする。
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