【一言居士】―2018年10月―さんま
https://ton-press.blogspot.com/2019/03/column201810.html
仙台で一人暮らしを始めて約1年半が経つ。ほどほどに自炊をしてはいるが、いまだに守っている母の忠告が二つある。それは「揚げ物は作らない」、そして「魚焼きグリルは使わない」だ。母いわく、その二つは片付けが特に面倒らしい▼しかしこの季節、やはり食べたくなるのがサンマの塩焼きだ。醤油のかかった大根おろしを添えて、スダチもあるともうたまらない。今年のサンマは去年に比べ豊漁で、身が大きく脂ものり、かつ低価格なのだという▼スーパーの魚売り場でサンマを目にし、一瞬買おうかと思う。けれど、かつて台所で油まみれのグリルと苦闘していた母の姿と、あの忠告を思い出すと、いつも思いとどまってしまうのであった▼ところが、最近インターネットで、サンマの塩焼きはグリルを使わずとも、アルミホイルを敷いたフライパンで簡単にできることを知った。それはうれしい。これで一人暮らしの学生も、知らぬ間に過ぎているであろう「平成最後の秋」に、旬のサンマを楽しむことができる。
(文責:石川)