※ネット限定※【学術雑誌セミナー】大隅典子・附属図書館長に聞く ~論文投稿にあたって~
https://ton-press.blogspot.com/2019/08/ohsumi.html
学術雑誌の動向に関するセミナー2019「学術雑誌は誰のもの? 研究力強化とオープンアクセスのリテラシー」が6月28日に開催された。今回は、講演者を務めた大隅典子図書館長に講演内容や論文投稿についてお話を伺った。
※セミナーの様子はこちら
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―講演の要点を教えてください
学術を推進していく上での図書館の立ち位置、その中でも着目されている電子雑誌の動向について、話題をいくつか集めてお話しました。一言で表すなら、「現在生じている電子雑誌に関するいろいろな問題について考えて欲しい」というのが結論ですね。
―本セミナーの目的と、開催した経緯を教えてください
図書館の立ち位置と研究者の立ち位置、それぞれ異なる立場が連携することでよい方向に向かっていくのではないかと考え、その機会を設けたいというのが最初の動機でした。そこで、現在注目されている電子雑誌の問題をトピックにしたセミナーをしようということになりました。
―学生が図書館に置かれている学術雑誌の購読料やその他の問題について意識することは少ないと思います
学生さんにとって学術雑誌はあるのが当たり前で、空気のような存在だと考えていると思います。しかし、ないと大変困りますし、金銭的な問題で今まで読めていた雑誌がこれから読めなくなってしまう場合も出てくるかもしれません。
サービスされているものが誰かのいろいろな努力や金銭的なコストで成り立っていることを知って欲しいです。当たり前だと思っていることが実は当たり前ではないという気づきが必要だと思います。
―このセミナーで得られた意義を教えてください
この講演で3回目になりますが、それぞれ違う研究分野に所属する聴衆の前でお話できました。今回象徴的だったのは、工学系の先生が研究者の評価において、論文が掲載された雑誌のインパクトファクター(IF)をあまり気にしないと仰っていたことです。生物系ではIFを過大に重要視するきらいがあるので、そうでない世界があることを紹介していきたいです。それぞれのキャンパスで回を重ねることで、分野ごとの違いが分かったことがとても良かったと思います。
―これから論文を投稿する学生にメッセージを
研究は何が明らかになったかを論文に書いて発信しなければ終わりません。調べて分かったことや実験して得た結果を論文という形にまとめて発表することは、研究者にとって何にもまして大事なことです。