読み込み中

【告知・特別インタビュー】鳴海屋紙商事 数井道憲社長・山村蘭子さん

 仙台七夕まつりが今月6日から8日にかけて仙台市内で開催される。祭りを彩る七夕飾りを制作する鳴海屋紙商事の数井道憲社長と40年来の七夕飾りの職人、山村蘭子さんに七夕飾りにかける思いを伺った。



 鳴海屋紙商事は、1883年に現在の仙台市荒町に創業した、紙や紙加工品の卸売り、販売店を前身とする老舗である。就業時間後に制作するのが難しくなったことや、チェーン店が増えたことで、1975年頃から和紙の技術を生かして、以前は店ごとに作っていた七夕飾りの作成の依頼を引き受けるようになった。従業員は18人、需要ピーク時の現在はパートを含め100人が働いている。

 七夕飾りの制作では、まず、山村さんが七夕飾りの制作を希望する各店舗と協議した上で、デザイン案を作成する。案ができたら、社員、パート全員で作業を進める。くす玉担当、吹き流し担当など分担することで効率よく作製している。制作は全て手作業だ。一つの飾りに数え切れないほどの人が関わり、多くの時間がかけられている。

 「デザインを考えるとき、お店ごとの個性を大事にしています。一つ一つの七夕飾りが違ってこそ、見る人も楽しめますから」と山村さんは話す。また、お店の方も、競合する他社よりもお客さんの目を引くためにデザインをより派手に、独自性のあるものにする傾向がある。その結果、より多様性が生まれているという。

 「仙台七夕まつりの輪は、確実に広がっている」と数井社長は話す。10年ほど前、鳴海屋紙商事は倒産の危機に陥った。しかし、外部からの資本を受け入れ、今では中心部商店街の七夕飾りの約半数を制作する七夕まつりに欠かせない存在になっている。近年では、大阪や東京など、七夕まつりを開催する地域が増えている。鳴海屋紙商事では、これらの地域にも材料や部品を供給している。今年4月に社長に就任した数井社長は「七夕まつりを全国に広めていきたい。そうすれば、発祥の地である仙台の七夕まつりもさらに盛り上がっていくはず」と期待を込める。

 山村さんは、七夕まつりに参加するなら、ぜひ仙台七夕まつりの特色である和紙に触ってほしい、と呼びかける。「実際に触ってみてこそ、和紙の温かさが分かります。もちろん、破かないように優しく取り扱うことは必要ですが」と微笑んだ。

 鳴海屋紙商事の今年の制作テーマは、「花」。新元号の令和の由来が万葉集の梅の花であったことから着想を得たという。山村さんは「毎年違うテーマで作っているのも鳴海屋紙商事の七夕飾りの魅力の一つ。ぜひ楽しんでいってほしい」と話す。たくさんの人の思いが詰まった七夕飾り。皆さんもぜひ仙台七夕まつりに足を運んでみてはいかがだろうか。
特別インタビュー 2894333160639024799
ホーム item

報道部へ入部を希望する方へ

 報道部への入部は、多くの人に見られる文章を書いてみたい、メディアについて知りたい、多くの社会人の方と会ってみたい、楽しい仲間と巡り合いたい、どんな動機でも大丈夫です。ご連絡は、本ホームページやTwitterまでお寄せください。

Twitter

Random Posts