【告知・ネット限定】漱石の筆跡・蔵書 デジタル化 ~クラウドファウンディング 26日まで~
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先月5日、本学はクラウドファンディングサービスを運営する会社「READYFOR」と業務提携を結び、本格的なクラウドファンディングの取り組みを開始した。提携後初のプロジェクトとして2つのクラウドファンディングを開始している。そのうちの一つ「漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト」について、本学附属図書館情報サービス課長の三角太郎さんに話を伺った。
本学附属図書館には、漱石の旧居に遺されていた自筆資料や蔵書のコレクションからなる「漱石文庫」が所蔵されている。1943年から44年にかけて、当時本学の前身である東北帝国大学の図書館長だった、漱石の愛弟子・小宮豊隆の尽力により受け入れた。
この漱石文庫だが、資料の劣化が問題となっている。漱石の書き込みは鉛筆によるものが多く、文字が薄くなって読み取りが難しくなっているものも多い。また、自筆資料・蔵書とも、酸性紙の資料が多く、劣化が懸念されている。酸性紙は19世紀中頃から工場で大量に生産され流通が進んだが、100年ほどが経ち、ボロボロになってきていることが問題になっていた。漱石文庫は現在、温度湿度を管理した書庫で保存されているが、それでも時間の経過によって劣化が進む恐れがある。
そこで、漱石文庫の自筆資料を高精細のデジタル画像として撮影、国際標準規格でデジタルアーカイブ化し世界へ公開するプロジェクトが始動した。漱石文庫の状態がこれ以上悪くなる前に、デジタル化して後世へ残すためだ。
クラウドファンディングという方法をとった理由について、三角さんは「単に資金を集めるためだけではなく、一般の人にも漱石文庫を知ってもらうためです」と話す。漱石文庫の存在は本学学生でも知る人が少ない。図書館では、学生だけではなく学外にも周知させたいと考えていた。これまで漱石文庫は、本学のデータベースで公開されている一部を除き、図書館を訪れた研究者しか閲覧することができなかった。今回のデジタルアーカイブ化が実現すれば、一般の漱石ファンも気軽にアクセスすることが可能になる。「研究のためだけではなく、一般の方にも成果を還元できるプロジェクト。ぜひ一般の方にも支援をお願いしたい」と三角さんは語った。
今回のプロジェクトの目玉の一つは、支援者へのお礼のギフトだ。漱石文庫にちなんだオリジナルグッズや非売品の資料カタログ、特別展示会など、充実したラインナップになっている。このプロジェクトでは今月26日まで支援者を募集している。クラウドファンディングについて詳しく知りたい場合は、こちらから。