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【とんぺー生の夏休み2020】選評 ~オンラインでの選考会 議論白熱させた2作品~

  今年で2回目の開催となった本コンクール。今年は「短編小説部門」「エッセイ・コラム部門」を統一し、「小説・エッセイ部門」の1部門で、「夏」というテーマを設けての開催となりました。新型コロナウイルス感染症の影響で、告知も思うようにいかない中での開催でしたが、2作品の応募がありました。どちらの作品も力作で、オンラインで行われた選考会では、選考委員一人一人が、物語を丁寧に読み込み、白熱した議論が行われました。


 最優秀賞を獲得した『幽霊の足跡』は、とある晩夏の夜、ビーチに向かった主人公が、「足跡だけの幽霊」と出会うというお話です。物語のラストでは、大学の講義で知り合った学生が、主人公と似た体験をしていたことが分かり、しかもその学生は、主人公が幽霊にあげた靴と極めて似たものを履いている……。現実には起こることのないような、いわば「怪談話」のような作品も夏ならではだと思います。


 選考会では、主にこのラストの場面について議論が交わされました。ビーチで出会った幽霊とはいったい誰だったのか、もしかして主人公は幽霊に体を奪われてしまったのではないか――など、さまざまな意見が飛び交いました。正しい解釈のないような「オチ」を、読者に想像させるような終わり方に、選考委員の支持が集まりました。また、ある選考委員からは、「主人公と幽霊の関係性について議論するうちに『人』とは何なのか、より深く考えさせられた」との感想も挙がりました。


 一方で惜しくも最優秀賞を逃したものの、多くの選考委員からの支持により優秀賞を獲得したのは『美しさのゆくえ』です。同じ大学の、言葉を交わしたこともない男性から仙台七夕まつりに2人で行く誘いを受けた主人公である女性は、照りつける日差しを避けて、彼が現れるのを待つ。たっぷり時間をかけて選んだ耳飾りを身に着け、いつもと少し違う自分を意識しつつ、道行く女子高校生や耳飾りを買ったときのことに思いを巡らす……。


 この物語は、待ち合わせをしている女性の一人称の視点だけでなく、さまざまな登場人物の客観的な視点を通して女性が描かれていきます。とある夏の日に、ゆったりと、しかし刻々と約束の時間が近づいてくる物語の展開に読者は引き込まれます。


 最終的に、この物語の男女は七夕祭りの日であるにもかかわらず、約束の場所で出会うことができませんでした。男性が少し遅れて現れたときには待ち合わせ場所に女性の姿はなく、その理由も物語でははっきりと語られていません。選考会ではやはり、なぜ会えなかったのか、どう解釈したらよいのか難しい、といった感想が見受けられました。しかし、選考委員それぞれが物語の結末に至った理由を想像し、活発に意見を交わす様子からは、読者の中で登場人物たちが実際に生きているように感じられる本物語の魅力がありました。

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報道部では、毎週水曜の部会をC棟教室で対面実施し、部員のノートパソコンや部室のPCを用いた紙面製作を今後行っていきます。また、前期の取材は主にオンラインで実施してまいりましたが、後期については感染症対策を万全に実施したうえで、対面での取材も再開しております。
また、学内外のポストへの配置・学内便や学外便のお届け、高校への配布については、順次再開して参ります。東北大学新聞の記事および紙面PDFは、毎号本ホームページを通して閲覧可能です。
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