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【連載】「あの日」を訪ねて ③せんだい3・11メモリアル交流館 〜被災地の記憶 交流深める〜

 『「あの日」を訪ねて』第3回で紹介するのは、せんだい3・11メモリアル交流館。地下鉄東西線の東端、荒井駅に併設された施設だ。2016年2月の開設以来、仙台市東部沿岸地域の玄関口として、震災や地域住民の暮らしの伝承の拠点となっている。



 地下鉄の改札を出ると右手正面に見えるのが、交流館の入り口。1階は交流スペースとなっており、沿岸地域の津波浸水域を示す壁一面の地図や、震災前後の風景を比較したスライド上映が来館者を出迎える。現在は特設展示として、未来のまちづくりをテーマにした荒浜地区の模型も設置されている。作成したのは、仙台市立七郷小学校6学年の児童だ。同小学校は、震災遺構となった仙台市立荒浜小学校との統合を背景に、荒浜の魅力の発信を目指す取り組みを行ってきた。模型には、荒浜の自然を生かしたさまざまな発想が散りばめられている。特設展示は今月30日まで。


 2階へ進むと、最初に目に入るのが「仙台沿岸イラストマップ」。地域の風土を色鮮やかに描いた地図と、来館者が書き込んだ大量の付箋には、沿岸地域にゆかりのある多くの人々の思いが込められている。その先に待つのは、震災と復興を伝える常設展。震災発生時の沿岸地域の風景や救助活動の様子、その後の復興事業などが、写真とともに時系列で説明されている。スタッフの大柳純さん(64)は「震災によって、沿岸地域から何が失われたかを感じ取ってほしいです」と話す。


 3階は屋上庭園。来館者の憩いの場となっており、屋内のギャラリーは写真展などのイベントスペースとしても利用される。


 スタッフの石川倫代さん(50)、渡邉曜平さん(39)は、交流館について「震災や復興だけでなく、震災以前の沿岸地域の暮らしに焦点を当てた取り組みを行っています。地域の生活や文化、歴史を来館者の皆さんと共有し、交流を深める場になればと思います」と語る。交流館を訪れていた中国人留学生の徐瑞遥さん(23)は「災害と現地の暮らしを関連づけて学べる貴重な場所だと思う。今後も多くの人に来てほしい」と話した。


 本学の学生を含め、多くの仙台市民の生活を支える地下鉄東西線。その終着駅に、せんだい3・11メモリアル交流館はある。日常の少し先へ足を延ばしてみれば、あなたも新たな学びのきっかけを得られるはずだ。

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