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本学学生の感染経験者語る 〜「被害者、感染者だけじゃない」〜

 新型コロナウイルスに感染し、病院で療養生活を送った本学の学生が、東北大学新聞の取材に応じた。回復までの体験や本学の対応とともに、回復後の気付きを語った。


―感染経路は


 分からないです。私が発症した後、接触があった人はみんな検査を受けたのですが、陰性でした。街でアルバイトもしていましたが、不特定多数の人と接触する仕事ではなかったです。


―発症した時点の症状は


 やけに咳が出るな、と感じました。体の内側からこみあげてきて、思わず体が「く」の字に曲がるような咳です。ぜんそくに似ています。熱は38度くらいで、嗅覚障害もありました。味覚障害はありませんでしたが、普通の風邪とは症状が違ったので、「コロナだな」と思いました。


―発症直後の行動は


 まずは外に出ないで我慢しました。発症前に接触していた人もいたので、検査は受けるつもりでしたが、咳が激しい状態で外出はできないし、周りの目も怖くて。数日間は自宅にいました。

咳が少し落ち着くのを待ってから、受診が可能な病院を調べて電話しました。他の患者さんとの接触を避けるために、通常の診察が休みの時間帯に受診しました。担当の先生は「コロナの可能性もないわけじゃないけど、恐らく風邪だ」と言っていましたが、検査はすることになりました。


―検査前後の流れは


 受診の翌日には、行政の仲介で検査が手配されました。公共交通機関を利用せずに訪問できる近隣の病院で検査を受けて、陽性の判定が出たのがさらに1日後です。軽症だったので、初めは自宅療養を案内されましたが、集合住宅に住んでいたので、病院での療養が決まりました。接触者とその連絡先を行政に申告する必要もあったので、入院までの間、接触者一人一人に自分で連絡先を聞いていました。


―入院までの対応は


 行政から療養施設が確保できたという連絡あったのは、検査から数日後です。「いつからですか」と聞いたところ、「明日です」と返されました。迎えの時間が指定され、自宅の建物全体で通路の出入りが規制されていました。病院への移動には、専用の車が手配されました。


―療養中の生活は


 約10日の療養の間、特別な治療はほとんどなく、病室で過ごしていただけです。退院の基準は、発症日から10日が過ぎ、症状が軽くなってから72時間が経過、というものだったと思います。PCR検査を受けずに退院できることには少し驚きましたね。退院した時点では少し嗅覚障害が残っていたのですが、数日で回復しました。


―大学の対応は


 陽性の判定が出た時点で、行政から大学に連絡があったみたいです。大学の担当者には、症状や行動履歴のほか、接触のあった大学関係者などを電話で申告します。入院から退院後1カ月くらいは、症状の経過も伝えていました。毎日朝と夜に体温を測っていましたね。退院後1カ月程度は、課外活動にも参加しないように指示があったと思います。


―回復後の変化は


 人間関係に少し変化がありました。話していないはずの人が、私の感染を知っていたのは怖かったです。

私は10日間病室で過ごしていただけですが、その間は接触者も生活が制限されてしまいます。新型コロナの被害者は感染者だけではありません。接触者への思慮も必要だと今は感じます。

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