【受験生応援号2022】神社巡り ~受験生へ~
神頼みなんて他力本願なことはしない。実力で受かるんだ―高校生の頃、そう宣言した友人がいた。その通りだ。しかし、こうも言う。運も実力のうち。こちらはやや、理不尽ではないか。
実力を付けるのに忙しい受験生のために、運は私たちが請け負った。仙台の神社を回れるだけまわって、運を味方に付けてあげようというわけだ。
リストアップした神社は弊部部室から半径3キロ以内の30社。実はこの企画が行われた1月下旬は、学期末テストとレポート期間真っ最中だ。できるだけスマートに回りたい。
これを読んでいる高校生諸君は、大学生になったら勉強に追われずゆっくりできると思っているかもしれないが、実はそんなに甘くない。特に学期末は、部活やバイトの合間に履修した授業の課題やテストをこなさなければならないのだ。優先順位が逆?
神社巡り1日目。今日は副編集長2人と、自転車で大学付近の神社を周る予定だ。急いで自宅アパートの駐輪場に向かうと、そこにあるはずの自転車がない。そんな、急いでいるのに。
初日に自転車が盗まれるなんてついてない。そういえば昨日も学食で、食べたかったメニューが目の前で売り切れた。受験生の合格祈願なんてしてないで自分の厄払いにでも行った方がいいのかもしれない。
気を取り直して川内、片平地区の神社へ向かう。4社周り終えるころにはすっかり日が落ちてしまった。この日のノルマを大量に残して帰る。
一週間後。この日は車で郊外の神社を15社ほど回る。集合時間は朝7時45分。
起床―7時30分。
副編集長にライン『今起きました』。あきれ顔の副編集長の顔が浮かぶ。
謝りながら差し出すためのキットカットをポケットに入れ、家を出る。
郊外の神社は小さなものも多い。遠くから見ると住宅街に溶け込むように自然と存在する神社も、近づくと朱色の大きな鳥居が存在感を放っている。誰もいなかったが、側の仏像に新鮮な花が生けられていたり、新しい絵馬がかけられていたりしている様子を見ると、地域住民に大切にされているようだ。
願い事はもちろん、「東北大の全受験生が全力を出し切れますように」それから「当日大雨や大雪が降りませんように」。最後にこっそり「今学期の単位を全て取得できますように」。神様、余力があったら叶えてください。
翌日以降に1日目に回りきれなかった仙台駅付近の神社や、八幡地区の神社を回る。結局全て回るのに5日を要した。最後はもちろん国宝の大崎八幡宮だ。東北大からもほど近く、国宝だけあって立派だ。
お参りを済ませてから絵馬を購入。「全受験生が全力を出し切れますように 学友会報道部」と力をこめて書く。受験生の目にとまるよう、一番目立つところに掛けた。
およそ受験生の皆さんが仙台で立ち寄りそうな神社は私たちが全て回っておいた。仙台の八百万の神がついてるので安心して受験に臨んでほしい。