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【ニュース】富士通と本学 連携次々と 〜互いの技術生かす〜

 9月から10月にかけて、富士通と本学の連携プロジェクトが始動、展開を見せている。9月、富士通と本学の間でウェルビーイング社会に向けた戦略連携についての合意がなされた。10月には、「富士通×東北大学発見知能共創研究所」が設置された。



ウェルビーイング社会戦略連携 〜デジタルツインを活用〜



 本連携では①診療データをもとに患者像を即時にデジタルで再現するデジタルツイン②疾患の可能性を検知するモデル③大量の診療データ—を解析するデータアナリティクス手法の開発を共同研究する。三つのテクノロジーで現在の医療情報をもとに、リアルタイムで患者の健康状態のシミュレーションを行い、おのおのの理想の健康に向けた具体的なフィードバックを患者に与える。



ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的な三つの側面において良好な状態を意味する。ウェルビーイング社会を目指す中で今回の医療技術の研究を行う意義について、東北大学病院産学連携室長の中川敦寛教授は、富士通が掲げる「Fujitsu Uvance」【注】と本学のビジョンのもとで、高齢化が進む社会の中でも豊かな生き方を送れるようにすることだという。



 今後のウェルビーイング社会の実現に向けて中川教授は「患者一人一人が思うウェルビーイングを、テクノロジーの力を上手く使いつつ、患者の経済的負担をできるだけ抑える形でサポートしたい」とコメント。富士通「Uvance」本部の青野氏は、「卓越した知見とデザイン思考を持つ東北大学とタッグを組み、互いの強みを生かして多様なサービスの社会実装を目指したい」と語った。



【注】Fujitsu Uvance:社会課題を解決する富士通のグローバルソリューション。UvanceはUniversalとadvanceを合わせた造語。




発見知能研究所 〜分野横断的な研究 強みに〜



 「富士通×東北大学発見知能共創研究所」の目的は、社会課題の因果関係を明らかにすることだ。富士通のAI技術、本学の数理科学と幅広い分野での研究を掛け合わせることで、発見知能の実現や社会課題の解決が期待される。研究の推進だけではなく次の研究を探すことや人材育成もねらい。



 本研究所の設立は富士通からの提案によるもの。富士通が大学とのオープンイノベーションの推進を目的として大学に研究の拠点を置く「富士通スモールリサーチラボ」の取り組みが、本学で昨年から行われている「共創研究所」の制度と合致していた。「共創研究所」は本学のキャンパス内に企業の拠点を置くことで連携を実質化するという取り組みであり、既に各分野にわたって10社以上の企業との共創研究所が本学内に設置されている。



 共同研究の期間は3年半が想定されている。期間は設定されているものの、持続的、長期的な活動が見据えられており、その自由度も特徴である。


 現在はキャンパス内モビリティの需要発見などのプロジェクトが進行中。本研究所の運営支援責任者である水藤寛教授(本学数理科学連携研究センター/材料科学高等研究所)は「分野横断的な活動はこのような仕組みがあってこそできること。さまざまな分野の人をつなげていきたい」と話した。
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