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【ISTU】大規模障害を契機に問う ISTU運用とその歩み

 


 

 本学の学習支援システムであるISTUにおいて昨年末、大規模なシステム障害が発生した。教材閲覧や課題提出が一時困難となり、学習活動に大きな影響が生じた。今回の事態は、同システムが本学の教育活動を支える基盤であることを改めて認識させた。


 障害は収束しており、最終的な状況整理が行われている。今回の障害を契機として、ISTUの歴史や背景、運用の実態を改めて整理するため、本学データ駆動科学・AI教育研究センターデジタル教育研究部門の三石大准教授に話を聞いた。(聞き手は小宮正希)


 ISTUという呼称は東北大学インターネット・スクールの英語名の略称だ。授業をインターネット配信し、受講可能とする制度としてのISTUと、これを実現する仕組みとしての学習管理システム(LMS)であるISTUシステムで区別がある。


 非同期での遠隔授業による単位認定が大学設置基準改正により認められたことに伴い、2002年に運用が開始された。信州大・東京大と並び、日本で最初の取り組みとなった。


 導入当初よりオンデマンド授業を可能とする仕組みとして同システムを位置付けていた。しかし、通信回線容量の制約から教員を映した授業動画と同期するスライドを組み合わせたコンテンツを作り込む必要があり、十分に普及しなかった。


 やがて教材データのオンライン配信やレポートの授受、オンライン確認テストを可能とするLMSの有用性が確認され、2010年度から全学教育科目、学部専門科目での利用が可能となった。これに伴い、統合認証システム・学務情報システムと連携し、利用申請や利用者登録を行わずに利用できる現在のISTU/DCシステムの運用方式のひな型が完成した。


 その後、高精細な授業動画の配信が可能となったこともあり、同システムのインクルーシブ教育への活用に向け、2016年度に川内北キャンパスの全講義室に自動で授業をビデオ収録し、配信可能とするシステムを導入した。現在、収録および動画の配信は教員の判断によって行われており、授業への参加が難しい学生の受講を可能にし、通常の受講生の復習にも活用されている。


 ここまでのISTUシステムは一から開発されたものであり、他システムとのデータ連携、教材データの共有において課題が生じていた。そこで2021年の更新で、業界標準規格にのっとったLMSであるMoodleをカスタマイズしたものを現行のISTU/DCシステムとして導入した。


 これにより、PanoptoやWeBWorkなどの外部教材を連携し、学習履歴の可視化や不登校傾向の把握にも活用している。これらの仕組みは、令和8年度より運用を開始する新LMSでも継続される予定だ。


 導入当初は、学習コンテンツ作成の煩わしさから当初の計画通りの普及には至らなかった。しかし当時から、医学系研究科や環境科学研究科などの大学院では、オンデマンド授業の需要があるため、変わらず積極的に活用されている。


 一方、コロナ禍では、全授業をオンライン化する必要があり同システムの需要が高まった。予算やハードウェア性能の都合で、Google Classroomを併用した形で乗り切ることとなった。こうした経緯から現在も、Google Classroomを利用する教員が多く、同システムの利用は一部にとどまっている。


 Google Classroomは簡易的なLMSであり、問題の自動採点や外部ツール連携といった高度な機能に制約がある。こうした制約から、十分な授業運営ができない場合、ISTU/DCが継続的に活用される。


 ◇  ◇

 今回の障害は、ISTUが本学の教育活動を支える基盤であることを改めて示すとともに、その運用の在り方を見直す契機ともなった。今後は新たな学習管理システムへの移行も予定されている。

なお、新システムの詳細については別記事で扱う。


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