青葉区のクマ 目撃件数は昨年と比べ5倍強
昨今、仙台でクマの目撃情報が相次いでいる。状況や対策を宮城県自然保護課に聞いた。
同課によると、今年度青葉区でのクマの目撃件数は2月24日時点で517件と、昨年度の99件から大幅に増加。本学青葉山キャンパス周辺では、昨年度で6件あった。
同課は学生に対して、新聞・ラジオや自治体などからクマの目撃等情報を入手し、危険な場所には近付かないよう注意を呼び掛ける。また、クマを人の生活圏に近付けないために、生ごみや食品の残りを屋外に放置せず、持ち帰るよう喚起する。
クマの出没の増加には、①木の実の不作で餌を求めて行動範囲が拡大②餌がある場所を記憶して定期的に出没③耕作放棄地の増加や開発団地の造成といった人間社会の変容によりクマの生息適地や行動可能範囲が拡大――などが考えられるという。
昨年度は内陸部のほか、これまで目撃が少なかった沿岸部など全県的に目撃等情報が寄せられた。また、夕方や日中・早朝の時間帯の目撃が多くなったという。
目撃情報が寄せられた際、現場では市町村が警察や猟友会と連携して対応に当たる。人身被害のリスクが大きいと判断された場合、周辺のパトロールや防災無線などでの注意喚起を実施する。また、猟友会の協力を得てクマを山へ追い払ったり、必要に応じてわなや銃によって捕獲したりして、住民の安全確保を最優先に対応している。
対策を進める上での課題は大きく2点ある。一つ目は、市街地など生活圏に出没した場合の対応だ。鳥獣保護管理法の改正に伴う緊急銃猟制度の創設で、市街地でも猟銃による捕獲が可能となったが、住民の安全確保の観点から慎重かつ迅速な対応が求められる。二つ目は、捕獲を担う人材の確保および育成だ。現状、クマの捕獲経験が豊富な人材が不足しており、ベテランハンターに負担が集中してしまっている。県は次代を担う狩猟者の確保に力を入れており、関心のある人へ狩猟免許取得を呼び掛けている。
今年度は青葉区のクマ目撃件数が過去最多を更新した。また、複数の人身被害も発生している。同課は現在の状況を緊急事態と捉えた上で、今後は捕獲による個体数管理の強化に向け、関係者との間で調整を進めていく方針だ。