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【研究成果】生物の構造物に共進化の影響 ~オトシブミと寄生蜂の関係で明らかに~

 生命科学研究科の深澤知里研究員、河田雅圭教授らのグループは、オトシブミの多様な植物加工法が幼虫に寄生する捕食寄生者である寄生蜂の種の構成と関係する事を明らかにした。

オトシブミは、葉を巻いたり、折り畳んだりして、植物を加工するが、その加工法は種によって様々なことが知られている。これまで、オトシブミに寄生する蜂は、植物の加工法とは関係なく、進化的に近い種は、類似した寄生蜂に寄生されやすいという説が唱えられていた。しかし、今回の研究により、植物加工タイプが類似したものに同じ寄生蜂が寄生することが判明。本研究は、生物がつくる多様な構造物が寄生者とそれに対抗するホストの間の共進化によるものだという可能性を示唆した。
 オトシブミは葉を加工し、その中に産卵する習性がある。対する寄生蜂はオトシブミが産卵、葉を加工するタイミングで同時に卵を産みつけて孵り、オトシブミの幼虫を捕食する。そのため、寄生蜂はオトシブミの作る構造物を見破らなければならない。オトシブミが潜孔型の場合、葉の中に隠された卵を見つける能力が必要になり、密封葉巻き型や折りたたみ葉巻き型の場合は内部に入り込む能力が必要になる。その結果として、型ごとに特化し、能力を進化させた寄生蜂は、特定の型のオトシブミばかりを狙うようになる。
 オトシブミは、寄生蜂の攻撃に対して防御のために切り方、巻き方を工夫するといった進化を遂げ、それに対して寄生蜂が再度そのオトシブミの加工物を発見し、卵を産み付けられるように進化を遂げる。ゆるやかな進化の結果、特定の加工物を作るオトシブミ、特定の巻き方に対応した寄生蜂という関係が出来上がった。
 「今回の発見は、生物自体がもっている特徴だけでなく、生物が作りだす構造物の多様性に寄生者との共進化が影響していることを示している」と河田教授は語った。
研究成果 6379428979097626152
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