【欧州紀行2012―⑦】 セルビア・ベオグラード 旧ユーゴスラビア紛争から考えること
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緊張しながら検査を受けたが、3分もかからずに終了。日本のパスポートの偉大さを感じる。国境を越えていよいよ出発か、と思いきや列車は全く動かずに停車してしまった。原因やアナウンスなど全くないまま2時間ほどが過ぎ、列車がようやく動き出した。同じ部屋のセルビア人のお姉さんと話をすると、このようなことは滅多にないそうで、彼女も不満を抱いていたようだ。結局、ベオグラードには大幅に遅れて到着した。
土砂降りだったこともあるのだろうがが、NATOに破壊されたビルが不気味に映る。ただ、ラッキーな事に先ほどのお姉さんが色々とベオグラード駅や両替所、タクシー乗り場などを案内してくれた。その日はタクシーを拾い予約済の宿へ泊り1日を終えた。
こうしてベオグラードを観光した私だったが、この街を巡ると戦争が遠い世界の話ではないことを実感する。特に旧ユーゴスラビア紛争は、私が生まれてから起きた紛争だ。この紛争でセルビアは大概、悪者に祭り上げられる。しかし本当にそうなのだろうか?ベオグラードの人たちはどの街の人々よりも私に親切であった。ホテルのフロントマンは原発問題の心配をしてくれ、街中のタクシーは決してぼったくりをしてこなかった。それだけでなくレストランのシェフ、服屋のおじいさん、公園のおばちゃん達皆が私を手厚く歓迎してくれたのだ。私にはセルビアだけが悪者とは思えないのである。旧ユーゴスラビア紛争については様々な議論があるが、様々な情報を咀嚼してその本質を掴まなければならないだろう。