【受賞】日本建築学会賞を受賞 ~災害科学国際研究所 村尾 修 教授~
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本学災害科学国際研究所の村尾修教授が、2014年日本建築学会賞(論文)を受賞した。
受賞した「災害対応を考慮した都市・建築空間に関する一連の研究」は村尾教授によるこれまでの研究成果をまとめたものであり、32編の論文と2冊の著書から構成されている。
本研究は災害マネジメントの視点から都市・建築に関する空間論を再構築しながら体系化したもので、序章と4つの章からなっている。序章では「災害対応の循環体系」との考え方に基づき、防災という多様な世界を「被害抑止」「被害軽減のための事前準備」「災害時緊急対応」「復旧・復興」と4つの基本局面で整理する。
一章は「被害抑止」の局面と関連した研究である。ここでは、兵庫県南部地震による全壊率と地盤の関係から導ける建物倒壊危険度評価法などを提案した。二章は「被害軽減のための事前準備」「災害時緊急対応」の局面に関連した研究であり、緊急時対応の施設配置計画などについて考察。また千葉県御宿町を対象とした、東日本大震災前と震災後における津波避難経路の比較分析も行っている。三章は「復旧・復興」の局面に対応している。ここでは「建物復興曲線」という概念が提示され、複数地域での復興過程の比較を可能にした。
これにより将来に向けてのより良い復興計画が提案されやすくなったという。さらには都市成立過程における被災と復興の過程の重要性に注目し、復興過程のアーカイブス化を提案する。四章では研究全体を取りまとめ、災害に対応した都市・建築空間論の体系化を行っている。これら一連の研究から、海外における防災戦略策定にも貢献していくことが考えられる。
「自分が一つの研究を深めているのか、様々な分野に浅く広く手を出しているだけなのかわからない不安感があった」と村尾教授は語る。広大な研究範囲の中で、自分の立ち位置がつかめていなかった時期もあった。だが、今回受賞した一連の研究を通じてようやく道のない世界に道を作ったという実感が得られたという。
今後はこの研究をさらに体系化し、災害対応を考えた都市における一つの計画原論にまで高めていく。また、提案した復興曲線を用いて復興を様々な側面から理解し、それらを実際の復興に役立てていく研究も進めたいという。さらなる発展が期待される研究である。
受賞した「災害対応を考慮した都市・建築空間に関する一連の研究」は村尾教授によるこれまでの研究成果をまとめたものであり、32編の論文と2冊の著書から構成されている。
本研究は災害マネジメントの視点から都市・建築に関する空間論を再構築しながら体系化したもので、序章と4つの章からなっている。序章では「災害対応の循環体系」との考え方に基づき、防災という多様な世界を「被害抑止」「被害軽減のための事前準備」「災害時緊急対応」「復旧・復興」と4つの基本局面で整理する。
一章は「被害抑止」の局面と関連した研究である。ここでは、兵庫県南部地震による全壊率と地盤の関係から導ける建物倒壊危険度評価法などを提案した。二章は「被害軽減のための事前準備」「災害時緊急対応」の局面に関連した研究であり、緊急時対応の施設配置計画などについて考察。また千葉県御宿町を対象とした、東日本大震災前と震災後における津波避難経路の比較分析も行っている。三章は「復旧・復興」の局面に対応している。ここでは「建物復興曲線」という概念が提示され、複数地域での復興過程の比較を可能にした。
これにより将来に向けてのより良い復興計画が提案されやすくなったという。さらには都市成立過程における被災と復興の過程の重要性に注目し、復興過程のアーカイブス化を提案する。四章では研究全体を取りまとめ、災害に対応した都市・建築空間論の体系化を行っている。これら一連の研究から、海外における防災戦略策定にも貢献していくことが考えられる。
「自分が一つの研究を深めているのか、様々な分野に浅く広く手を出しているだけなのかわからない不安感があった」と村尾教授は語る。広大な研究範囲の中で、自分の立ち位置がつかめていなかった時期もあった。だが、今回受賞した一連の研究を通じてようやく道のない世界に道を作ったという実感が得られたという。
今後はこの研究をさらに体系化し、災害対応を考えた都市における一つの計画原論にまで高めていく。また、提案した復興曲線を用いて復興を様々な側面から理解し、それらを実際の復興に役立てていく研究も進めたいという。さらなる発展が期待される研究である。