【研究成果】γ線バーストに新発見 ~残光に円偏光 通説覆す~
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本学学際科学フロンティア研究所の當真賢二助教は、他の海外の研究機関と共同で、宇宙におけるガンマ線バースト(GRB)の残光から円偏光(注)を発見した。円偏光はゼロに近いものと考えられていたため、今回の発見はこれまでの理論に修正を促すものである。
GRBとは、1日に約1回宇宙のどこかで爆発とともにガンマ線を放出する現象を指す。発生原因について定かではないが、超新星爆発や特異な星が衝突・合体した場合に発生すると考えられている。爆発に際して高エネルギーの衝撃波を発生させ、紫外線や可視光線などの残光を伴うことが知られている。宇宙はきわめて低密度であることから、この衝撃波は地球上では再現が困難なものである。GRBは衛星及び望遠鏡によって観測されており、宇宙物理学とプラズマ物理学の学際的な研究対象になっている。
GRBの残光からは、これまで直線偏光のみが検出されていた。これには理論上の裏付けもあり、円偏光は非常に小さいものであると予想されていた。
ところが今回は初めて一定量の円偏光が検出された。この現象について従来の理論では説明がつかないため、何らかの原因があることが考えられている。當真助教を含む研究グループはこの点に関して、「衝撃波中において電子の運動方向が偏っている」という仮説を提案している。
今後の研究方向について、高エネルギー衝撃波の形成メカニズムを明らかにしていくことが挙げられる。また、超新星爆発によって形成されたブラックホールから、ガンマ線とともに爆風が発生する仕組みについても不明な点が多い。當真助教は、これらの点についてさらに研究を続けていく。
今回の研究成果は、5月8日付のNature誌に掲載された。
(注)……偏光とは光波の振動方向の分布が一様でなく、常に一定の平面に限られている光。振動方向が一直線上に限られる直線偏光、円や楕円を描く円偏光・楕円偏光がある。
GRBとは、1日に約1回宇宙のどこかで爆発とともにガンマ線を放出する現象を指す。発生原因について定かではないが、超新星爆発や特異な星が衝突・合体した場合に発生すると考えられている。爆発に際して高エネルギーの衝撃波を発生させ、紫外線や可視光線などの残光を伴うことが知られている。宇宙はきわめて低密度であることから、この衝撃波は地球上では再現が困難なものである。GRBは衛星及び望遠鏡によって観測されており、宇宙物理学とプラズマ物理学の学際的な研究対象になっている。
GRBの残光からは、これまで直線偏光のみが検出されていた。これには理論上の裏付けもあり、円偏光は非常に小さいものであると予想されていた。
ところが今回は初めて一定量の円偏光が検出された。この現象について従来の理論では説明がつかないため、何らかの原因があることが考えられている。當真助教を含む研究グループはこの点に関して、「衝撃波中において電子の運動方向が偏っている」という仮説を提案している。
今後の研究方向について、高エネルギー衝撃波の形成メカニズムを明らかにしていくことが挙げられる。また、超新星爆発によって形成されたブラックホールから、ガンマ線とともに爆風が発生する仕組みについても不明な点が多い。當真助教は、これらの点についてさらに研究を続けていく。
今回の研究成果は、5月8日付のNature誌に掲載された。
(注)……偏光とは光波の振動方向の分布が一様でなく、常に一定の平面に限られている光。振動方向が一直線上に限られる直線偏光、円や楕円を描く円偏光・楕円偏光がある。