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イブニング講座開催 ~平安文化と触れる宵~

 第1回「東北大学イブニング講座―メトロでカルチャー」が12月8、15、22日の3週にわたって川内北キャンパスマルチメディア棟6階の大講義室で行われた。会場が川内駅から近く、平日の夕方に開催されたこともあり多くの市民が連日の講座に集まった。




 イブニング講座は仕事帰りのビジネスマンなどをターゲットにした新しい市民講座。仙台市地下鉄東西線の開業をきっかけに、本学文学部・文学研究科が一般向けに情報を発信する事業の一環として主催する。文学部研究広報室長の長岡龍作教授は「家に帰る前に文化的な環境に触れてもらいたい」と講座を開いた理由を語る。

 第1回のテーマは「平安文化の陰影―文学と美術」。『源氏物語』や紫式部を中心に取り上げて、絵画や仏教説話、漢文学のアプローチから解説した。長岡教授は「第1回は文学部のイメージに近いテーマにした。多くの方から好評をいただいた」と手応えを感じていた。

 15日の講座は「『源氏物語』と漢文学」で、文学部中国語学・文学研究室の佐竹保子教授が担当した。『源氏物語』「桐壺」巻と、『長恨歌』、『漢書』「李夫人伝」の2つの漢籍を比較し、『源氏物語』の背景に紫式部の目線や性格が大きく反映されていると解説した。講座に参加した寒河江志乃さん(文・1)は「普段の授業と違った発見があって視野が広がると思った」と感想を述べた。

 次回の開催に向けて、現在は参加者の要望の声を反映させつつ時間帯や内容などを検討しているという。今後のイブニング講座について長岡教授は「文学部は多岐にわたる専修がある。今後は広い分野をカバーし、文学部にいろいろな世界があることを知らせる講座にしたい」と抱負を語った。
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