読み込み中

日EUフレンドシップウィーク EUと宇宙 特別講演開催

 日EUフレンドシップウィーク展示「EUと宇宙」記念講演会が6月10日、本学附属図書館にて開催された。当日は本学工学研究科吉田和哉教授による特別講演会とトークセッションが行われた。




 第1部は4章構成で、吉田教授が宇宙探査ロボット開発の現状とEUとの協力について語った。1章は惑星探査の概要、2章は惑星探査機はやぶさの概要、3章は本学の惑星探査の試み、4章では欧州と協力して開発した月面探査ロボットについて紹介した。

 第2部では「国際宇宙大学(ISU)と東北大学」と題して、宇宙開発に関する国際技術交流についてのトークセッションが行われた。ISUとは、フランス東部・ストラスブールにある国際教育機関であり、宇宙関連分野で活躍する人材育成のための教育プログラムを実施している。宇宙開発業界ではISU卒業者が数多く活躍しており、吉田教授によれば「宇宙業界で石を投げれば、必ずISU卒業者にぶつかる」とのことだ。

 ISUには一般の大学同様、ストラスブールのキャンパスで1~2年間にわたって行われる修士コース(MSS)という授業プログラムがある。MSSは三つの「モジュール」(セメスターに相当)からなり、SPP(後述)が第1モジュールとなる。MSSの履修者は宇宙科学・工学といった理学的な側面からだけでなく、宇宙に関する政策や経済、法律といった人文社会的な側面からも宇宙について学ぶこととなる。MSSではインターンシップも必須で、MSSを修了したネイサン・ブリトン氏はインターンシップ先として東北大学を選び、工学研究科の博士課程を修了している。

 このほか、ISUは毎年夏に世界各地(2016年はイスラエルで開催)で9週間のスペーススタディープログラム(SSP)というシンポジウムを実施している。宇宙開発事業は国際間協力が必要不可欠な事業であり、そのためISUは30を超える国々から参加者を募っており、参加者も工学系の学生・エンジニアにとどまらず、企業家や弁護士、看護師など多岐にわたっている。

 参加者は元宇宙飛行士による講義やロボットの設計といったワークショップ等を通して宇宙開発に関する理解を深めるとともに、様々な国籍の人々と問題を解決することで国際間での協力の大切さを学ぶことができる。そのほか参加者同士による文化交流もあり、SSPに参加したことのある小林友哉さん(流体科学研究所所属)はSSPの紹介の中で、SSPを通して得られたものとして、SSP参加者との仲間意識や宇宙関係者との人脈」とともに「国柄・文化性に対する理解」を挙げた。また、SSPに参加した留学生の一人は「(ISUが)私の人生を変えた」と話す。

 本学流体科学研究所も1990年以来、支援金を出す形で毎年1名の学生、助教授または研究員をSSPに派遣している。同研究所のホームページにもSSP派遣制度の詳細ページがあるので、参考にしてほしい。

 講演会の最後に、吉田教授は「人生を変えたり、新しいことをしたいなら、ISUが世界一最適な場所だ」と語った。


講演会 3602657798900030125
ホーム item

報道部へ入部を希望する方へ

 報道部への入部は、多くの人に見られる文章を書いてみたい、メディアについて知りたい、多くの社会人の方と会ってみたい、楽しい仲間と巡り合いたい、どんな動機でも大丈夫です。ご連絡は、本ホームページやTwitterまでお寄せください。

Twitter

Random Posts