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NPO法人「いきいきフォーラム草の根支援」 ネパールでの支援活動を報告

 NPO法人「いきいきフォーラム草の根支援」の会合が、7月5日エル・ソーラ仙台で行われた。今回の会合では、昨年の事業の報告とネパールで支援事業に取り組む「OKバジ」こと垣見一雅さんが帰国報告をした。




 いきいきフォーラム草の根支援は設立から今年で9年を迎え、認定NPO法人格を取得している。本学法学部同窓生が中心になって設立・運営され、会員からの会費や寄付金、食卓に客を招いたつもりでその人の分の食事代を支援金として貯めておく「食卓の貯金箱」という運動の推進を通じて支援金を集めている。

 昨年は垣見さんのネパールでの活動の支援や、タイやインドの貧しい子供たちのための寄宿寮や学校施設の運営支援など、国際支援の充実が進められた。これらの国際支援に投じた資金は総額約846万円に達し、過去最高額となった。東日本大震災被災地の子供たちの支援事業や垣見さんの帰国報告会の日本各地での開催なども行っており、その活動は多岐に渡る。

 垣見さんの帰国報告会は昨年4月に起きたネパール地震の復興の進展状況についての話題から始まった。この地震によって多くの村で家屋の倒壊などの深刻な被害が生じた。その補修費用などを含めた支援金の分配が政府により約束されていたが、なかなか実現されなかったという。このような状況下で、垣見さんは現地の母親たちの団体である「アマサムア」に資金を貸し付け、ヤギや豚の飼育による利益を村にもたらした。

 垣見さんがネパールに滞在して今年で23年。当初は依頼されるとすぐに支援を行ういわば同情支援、ばらまき支援の形で支援を行っていた。しかし、現地の人々を自立に向かわせるために、現地の人々とともに事業を行う呼び水支援の形で支援を行うようになった。プロジェクトの必要経費の6割程度は垣見さんが支援し、残りの4割程度は現地の人々が自分たちで集めることを要求する。これによって人々が資金捻出という一つの目的に向けて団結して考えるようになり、自立を促すことができるという。

 報告会の中で垣見さんは、自らがネパールで支援活動をする際に心がけている「支援10箇条」を掲げた。自ら楽しむ、現地の文化や習慣を尊重するなど様々な内容があるが、中でも特に重要なものは「信頼関係を築くこと」だという。垣見さんは農業の専門家でない分、現地の人々と一緒にプロジェクトを考えることができる。同じ立場から現地の人々に相談をすると、知恵を絞って答えを出してくれるという。そのとき、「しっかりと相手を褒め、感謝の気持ちを示すことで相手との信頼関係を築くことができる」と垣根さんは話した。

 垣見さんが、ネパールで支援活動を始めたきっかけは「ネパールへの償いと恩返しがしたいという気持ち」だと述べた。ネパールでバス事故にあった際にネパールの人に世話になった経験や、ネパールの山のふもとを歩く旅の中で現地のポーターを事故に巻き込み亡くしてしまった過去から、ネパールに滞在して支援活動に尽力し始めたという。当初はネパール語を話すことができなかった垣見さんは、英語で現地の人々とコミュニケーションをとっていた。その中で人々の頼みをOKと快く引き受けていた結果、現地の言葉でおじいさんという意味のバジという言葉と合わさって、OKバジと親しみを込めて呼ばれるようになった。

 「ネパールで活動する中で、ネパール人との考え方の違いに悩むこともある」という垣見さん。時間に厳格な日本人に比べると現地の人々は時間にルーズで、気苦労することもあるという。しかし、そうした苦労の中でも、プロジェクトが成功したときにネパールの人々と喜びを共有できることが何よりも嬉しく、活動の原動力になっているのだと垣見さんは顔を綻ばせた。


問い合わせ先
いきいきフォーラム草の根支援
E-mail: f-kusanone*tcn-catv.ne.jp(*を@に換えてください)
HP: http://www1.tcn-catv.ne.jp/ikiiki-kusanone

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