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仙台短篇映画祭開催 ~震災テーマに映画を~

 仙台短篇映画祭が、9月17日から19日にかけてせんだいメディアテークにて開催された。様々な短篇映画が上映されたほか、上映後のトークショーも催され、多くの市民が足を運び映画を楽しんだ。




 初日の17日は、最初に浅尾芳宣監督の『想いのかけら』が上映された。東日本大震災を被災し仮設住宅で漁師の父親と二人で暮らす中学生佐藤陽菜を主人公とした短篇アニメだ。浅尾監督は、「復興には、『復元』という意味と、『興す』という意味があると思います。『復元』にこだわる陽菜の父親と『興す』方向へ踏み出す陽菜を描くことで、人々が復興に対してそれぞれ違った想いを抱いていることを表現しようとしました」と語った。

 続いて、「震災後の表現」をテーマとしたプログラムで二つの作品が上映された。まずは、塩田明彦監督の『昼も夜も』。中古自動車販売店を営む青年、真野良介と彼の店の車で勝手に寝泊りする素性の知れない自由気ままな女との交流を描く。この作品は、実はもともと震災をテーマとしたものではなかったという。「製作を進めるうちに、素性の知れない女のイメージが、震災をきっかけに居場所を失って漂流している人のイメージと重なっていきました」と塩田監督は語る。

 最後に上映されたのは、篠崎誠監督の『SHARING』。震災の予知夢を見たという人々を研究する社会心理学者瑛子が、震災で亡くなった恋人の夢に苦しむ様子を描く。震災の予知夢については創作だったが、製作後になって実際に見たという人がいることを知ったと篠崎監督は語る。「震災についての映画を撮るということが、誰かを傷つけることになってしまうかもしれません。しかし、表現することを全く諦めてしまうことが正しいとは思いません」と篠崎監督は語った。

 18日には、若手女性監督3人の作品が「女子力映画」と題したプログラムで上映された。19日には、68本の公募作品から選ばれた3作品や、文化庁メディア芸術祭の受賞作品などが上映された。

 訪れた人からは、「短篇映画は普段見ないジャンルなので、新鮮だった」「震災後の表現では、トークショーで作り手の葛藤が感じられてよかった」といった声が上がった。仙台短篇映画祭実行委員長の菅原睦子さんは、震災直後は震災関連の映画はドキュメンタリー作品が多かったが、徐々に震災を扱ったフィクション作品が作られるようになったと振り返る。「震災から5年目の節目の今年にそのようなフィクション作品を上映することで、観ていただいた人が震災について考えるきっかけになったらいいと思います」と菅原さんは語った。
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