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【紀行】ロシア紀行 ~悠久の歴史を求め サンクトペテルブルク編~

 10月号からの連載企画「ロシア紀行」の後編。夏休みに行ったロシアへの一人旅の中盤、私はモスクワからサンクトペテルブルクへと向かった。サンクトペテルブルクはモスクワの北へ1000kmほど離れた位置にある都市だ。




 モスクワからサンクトペテルブルクへの移動はサプサン号という高速鉄道を利用した。サプサン号はモスクワ―サンクトペテルブルク間というロシアの2大都市を4時間で結ぶ、日本でいうところの東海道新幹線のようなものだ。座席が進行方向と逆向きだったのが少し辛かったが、車内は清潔であったし、ロシアの映画などもテレビで見ることができ快適であった。

 サンクトペテルブルクでの宿泊先もモスクワのホテルと同じく1泊2000円程度の安宿だ。このような価格のホテルでも個室であり、壁が薄いことなど気にしなければ快適である。ただいつかは5つ星と呼ばれるようなホテルに宿泊してみたいなあなどと思いつつ硬いベッドでサンクトペテルブルク1日目はすぐに眠りに就いた。

 2日目はエルミタージュ美術館、ロシア美術館などを巡った。エルミタージュ美術館は世界でも屈指の美術館であり、展示品の中にはダ・ヴィンチ、ラファエロ、レンブラントといった誰もが知っているような芸術家の作品が展示されていた。またロシア美術館にはロシア画家の作品が展示されており、これまた世界史の授業で学んだ作品が目の前に広がっていた。

 美しい作品に心を満たされた私は次に食欲を満たすべく街を散策した。すると驚いたことにエルミタージュ美術館のほど近くに「麵屋政宗」という看板が掲げられていた。日本が少し恋しくなっていた私は迷わず入店した。暖簾をくぐると日本人の店主と日本語を話すきれいなロシア人の店員のお姉さんに迎え入れられた。話を伺うと麵屋政宗のサンクトペテルブルク支店であるそうだ。冷えた体がラーメンで温められ、仙台を思い出すことができた。このような異国での思わぬ形での日本との出会いは非常にうれしいものだ。

 3日目はロシア正教の教会であるイサク聖堂などを見学した。イサク聖堂はピョートル大帝が創建した世界でも有数の大きさを誇る聖堂だ。この聖堂の見学をする前は存在も知らなかったし、大して期待もしていなかった。ただ実際にこの聖堂の大きさ、美しさは圧倒的であり、今回旅した中では一番心に残る建造物であった。

 教会散策を終え、夕食も食べた後、次の日私はモスクワに帰る予定であったためもう少しサンクトペテルブルクを味わいたいと夜の散歩に出かけた。サンクトペテルブルクにはネヴァ川という川が走っており、その川の中にピョートル大帝が要塞として埋め立てた「うさぎ島」と呼ばれる小島がある。私はそこへ足を向けた。うさぎ島からはネヴァ川を挟んでエルミタージュ美術館、ロストラの灯台、旧海軍省などを一望でき、この夜景だけでもロシアに来た価値を感じられるほどであった。サンクトペテルブルクに行く機会があれば夜景を見にうさぎ島を訪れることを強く勧める。

 翌日私はモスクワに戻り、後ろ髪をひかれつつ帰国した。
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