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【ネタ記事】現代アート作ってみた ~部室にある品で作品制作~

 9月某日、筆者は牡鹿半島にいた。目的は石巻で開催されていた「Reborn-Art Festival」で現代アートを鑑賞すること。現代アートを見て、身近にあるものでもアート作品が作れることを知った。流木や漁具、人間の涙までもが作品の一部となり、強いメッセージを与えてくれる様に感銘を受けた。「現代アートの素晴らしさを多くの人と分かち合いたい」




 そんな感情を抱いた折、部室にあったお菓子が全て先に来た部員に食べられていたのを目の当たりにした。「ちょっとでも残っていたらよかったのに……」と悲しみの感情が沸き上がった途端。「この感情をアートにすればよいのか」。かくして、作品づくりが始まった。

 何もないテーブルの上にお菓子の空箱を置く。これで完成。タイトルは「憎しみ」。構想と制作を合わせて5分もかけずに形にした。何一つないテーブルに空箱のみがあることで、無常観を演出。さらに捨てられたお菓子の袋も添えることで、筆者の物寂しさを表現した。

 しかし、作品制作の様子を見ていた部員からは、「これは何なのですか?」。その後も空箱しか置かれていないテーブルにカメラを必死に向ける筆者の様子をいぶかしげに眺めるのだった。

 そこへやってきたのは後輩女子部員のM。彼女は帰省から帰ってきたところらしく、手にはなんと土産菓子が。それを見た瞬間、先ほどまでの憎しみはどこへやら。持ってきてくれたお菓子をほおばりながら、感謝の気持ちと喜びに満たされていた。その時だった。「この感情をアートにすればよいのか」。かくして作品づくりが始まった。

 用意したのは、部室に転がっていたペットボトルに、先ほどのお菓子の包み紙、そして曲がるストロー。ペットボトルに水を入れ、あらかじめストローを通したキャップでふたをする。ストローの先端に包み紙に描かれたゆるキャラの「ぐんまちゃん」をあしらい、余った部分は巻いてラッパ状にして添えた。

 この作品のタイトルは「GUNMA」。部員Mの出身地をリスペクトした作品だ。ペットボトルは、群馬県沼田市の河岸段丘をイメージして配置し、ストローの色も群馬の自然豊かな風土と近代産業を表した。

 さらに、作品を作りたいと感じた筆者が部室を見渡すと、大量の古新聞が。「そうだ、報道部なら新聞でもアートを作らねば」。

 こうして完成したのが「時の重さ」。とある日の新聞紙のうち、震災に関係する記事のみを切り取って大きな透明な袋に、それ以外の記事を小さなコンビニ袋に詰めたものだ。途中でゴミ袋と間違えられ、空の弁当容器などが捨てられるハプニングもあったが、満足いく形に仕上がった。

 この作品は、手に持ってその重さを感じることができる。震災関連の記事はもはやわずかな量しかない。震災から6年半経った今、関心の低下を如実に伝えるメッセージ性の強さが魅力だ。

 いかがだっただろうか。この記事でアートの魅力が伝わってくれればうれしい。



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