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【リベラルアーツサロン】第52回「信頼をめぐる謎―なぜ人は裏切られるかもしれないのに他人を信頼するのか?―」

 第52回リベラルアーツサロン「信頼をめぐる謎―なぜ人は裏切られるかもしれないのに他人を信頼するのか?―」が先月8日、せんだいメディアテークにて開かれた。会場には老若男女問わず多くの市民が集まり、用意された椅子が埋まるほどの盛況だった。




 リベラルアーツサロンとは、文系分野の中から身近で知識欲をかき立てるテーマを取り上げ、学問を身近に感じてもらう参加型トークイベント。今年度前半では3回実施される予定で、今回が1回目に当たる。今回の講師は、文学研究科の佐藤嘉倫教授。行動科学を中心に研究する佐藤教授は、人々が信頼する理論を紐解いた。

 講演の始めに、なぜ交通事故が起こるかもしれないのに会場まで訪れたかを参加者に質問。「事故が起こる確率が限りなく低いから」と返答を受けると、佐藤教授は「日常生活は信頼に満ちている。信頼は空気や水のように意識されずに存在している」と指摘した。

 さらに佐藤教授は、「信頼の木」と呼ばれるもので信頼の関係性を図示。そのうえで、信頼関係は数式で表すことができると示した。数式によって、相手が信頼に応える確率や信頼したときの見返りが大きく、裏切られたときの損害が小さい場合、相手を信頼すると佐藤教授は説明した。

 その後、テーブルごとに身近な場面での信頼についてディスカッションを実施。参加者は互いに議論し合いながら、信頼にまつわる知見を深めていた。

 ディスカッション後には質疑応答の時間が設けられ、「信用と信頼はどう違うのか」「相手と理解の差が生じたときにはどうなるのか」などの質問が飛んだ。このうち、参加者から「結局信頼は式と確率で表せるものなのか」と質問を受けると、佐藤教授は「相手が信頼に応える確率は合理的には決まらない。感情も影響する」と結論づけた。

 次回のリベラルアーツサロンは今月27日に片平キャンパスの片平北門会館・エスパスにて行われる。講師は国際文化研究科の野村啓介准教授。
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