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多様な性への理解促す ~NPOセミナー 開催~

 NPOセミナー・プライド月間企画「多様な性・LGBTとNPO『俺、彼氏いるんだ』」が先月19日、本学経済学部経営学科非営利組織論ゼミナール主催で本学川内南キャンパス文科系総合講義棟にて行われた。講師は、東北HIVコミュニケ―ションズ代表、レインボー・アドボケイツ東北代表の小浜耕治さん。会場には大勢の参加者が詰めかけた。




 LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーといった性的少数者の総称を指し、約5~10%の人が当事者だと言われている。しかし実際には、LGBTのみで性のあり方を特定することはできない。性的指向・性自認を表すSOGI(ソジ)という概念では、性的少数者に限定せず、誰もが持つ性を個性として表現することができる。小浜さんは、多様な性のあり方を全て覚えていくよりも、一人ひとりが持つ性を丁寧に考えていくことが大切だと話した。

 また小浜さんは、性的少数者が周縁化される社会の現状についても説明した。多くの性的少数者が、自分自身のセクシュアリティを受容する過程で、周りと違うことに悩み、日常的なストレスや自己否定感にさいなまれてしまうという。性的少数者のセクシュアリティの受容を支援するために、小浜さんは、当事者の生き方の模索に付き合うことが大切だと話す。「カミングアウトをしたとしても、その後どうしてほしいのかは本人も分からない。どんな人生を構築していくのかの試行錯誤に寄り添ってあげてほしい」と示した。

 「生まれ変わっても、ゲイでいたい」。本セミナーの主催者であるNさん(経・3)は笑顔でそう話す。Nさんはセミナーの冒頭、大勢の来場者を前に、自身のセクシュアリティについて説明し、まだカミングアウトできずに苦しんでいる性的少数者の存在を呼びかけた。性についての悩みを抱える学生に向けてNさんは、「当事者間でのつながりが必要だと思う。そこでの仲間意識が孤独や不安を和らげる」とし、自分らしくいられる居場所を見つけることの重要性を強調した。

 本セミナーにて司会を務めた加賀谷昂平さん(経・3)は、以前から永田さんのセクシュアリティについて本人から聞いていたという。「女の子を好きになれない」と話すNさんを、当初は理解できず戸惑いがあったが、一方で、「男を好きになるってどんな感じなのか」といったさまざまな疑問を抱き、何気ない生活の中でNさんがゲイであることを実感していったという。周りにいる性的少数者との接し方について加賀谷さんは、「その人の身になって、かつ、いつも通りに接することが大切だと思う」と話した。

 セミナー終盤の質疑応答では参加者から多くの手が挙がり、性的少数者に対する昨今の関心の高さをうかがわせた。本学理学部を卒業後、仙台市を中心に、約25年間LGBTの当事者として活動してきた小浜さん。母校での講演を終え、「こんなに前のめりに話を聞いてくれてすごくうれしかった。今までやってきたことが結実してきたと感じ、胸に来るものがあった」と振り返った。
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