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【きょう公示】参院選の注目ポイント ~河村和徳准教授に聞く~

 2019年は選挙イヤーである。4年ごとの統一地方選挙と3年ごとの参議院議員選挙が重なるためだ。今回は、政治学に精通している本学情報科学研究科の河村和徳准教授に、参院選や震災と政治についての話を伺った。



―参院選はどのような点に着目していますか

 一つはアベノミクスが失速気味である中で、与党や野党のどちらの既成政党に対しても嫌気を感じている人々がどのような投票行動をするのかに注目しています。安倍政権が長期化する中で、自民党の一強状態を嫌い、選挙において意識的に与野党が伯仲するよう投票する有権者もいるのではないかと考えています。

 また、米中の貿易戦争に対して各政党がどのような視点に立つのかにも着目しています。特に農業の分野で、アメリカ政府は二国間交渉で日本に対して市場開放を求めてくる可能性は大きいでしょう。その際に日本の農家をどのように守るのかということは与野党が争点化すべきであると考えます。特に地方の有権者にとっては、安全保障や憲法改正の議論だけではなく、地域振興策も含めた経済政策を各政党が掲げられるのかどうかが重要だと感じています。

―最近は自民党の一党優位性が続いています

 すでに、小選挙区制を導入すれば二大政党制になるという神話は破綻しています。なぜかは、近年の国際情勢を鑑みれば分かります。単純に右か左か、はたまたイエスかノーかという時代ではなくなってきているのです。多様化する社会の中で、非常に利害関係が入り組んでいるため、政治家はさまざまな主張をする必要があります。それはそれで選挙制度を変えるか、政党間で利害関係に対して落としどころをつける必要があると感じます。

―被災地復興という点ではどうでしょうか

 選挙の度に震災は風化してきていると感じます。それは本学でも同じで、震災の年には政治に興味を持ち始めた学生が非常に多かったと思い出します。本学では地震の被害で研究棟の立て直しを余儀なくされました。そのときは震災が身近に感じられたと思います。今は震災の痕跡が見えにくくなっています。多くの人々が被災地復興に共感できているうちはいいのですが、震災から8年も経つと、被災者は圧倒的に少数派ですし、彼らに対する関心も失われがちになっています。民主主義という多数決制の下では、被災者という少数者の声をどうくみ取るかが今まさにという点が問題になっています。少数派に寄り添うため、政治家は以前にも増して丁寧な説明が求められるようになっています。

―学生へ一言

 とにかく選挙に行ってみてほしいです。選挙は自分が政治と近づく初めの第一歩でもあり、一番簡単な政治参加でもあります。選挙を通じて政治や世の中を学ぶことは今後に必ず生きてくるでしょう。とりあえず一票を、自分への投資だと思って投じてほしいです。
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