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【先生、質問です!】(1) 材料科学高等研究所・千葉逸人 教授 ~今年度 本学に着任~

 新企画「先生、質問です!」では研究者が普段何を考えているか、研究以外に何をしているかなど、知られざる素顔に迫る。今回は材料科学高等研究所(AIMR)数学連携グループの千葉逸人教授に話を伺った。

 千葉教授は京都大で3年生のとき、『工学部で学ぶ数学』を出版。同大で博士号を取得後、九州大に着任した。

 その後今年4月より九州大から本学に移ることとなった。出張で仙台を訪れることはあったが、仙台に住むのは初めてだという。



―好きなものは

 数学です。職業上、それで食って生きているので、いつもそばにいるようにしています。

 特に散歩しているときや電車の中にいるときなど、紙やペンを使わず、頭の中で数学のことを考えることが多いです。研究室に来ると紙とペン、時にはパソコンも使っていますが、家や外ではそんなものを持って歩くことはできませんよね。ですので、そんな時は頭の中で考えています。研究室にいるときと環境が違うので、考え方が違って、そこから新たな考えがひらめくこともあります。

 他に好きなものはお酒です。特にビールが好きで、前に勤めていた九州大では講義中に休憩をはさんでビールの話題をよく出していました。そして講義の最終日に教室へ行くと、教卓の上に缶ビールの入った箱(24缶入り)が乗っていたことがあります。

 あと、漫画も好きです。今読んでいるのは、『ワンピース』『キングダム』『3月のライオン』などです。だいたい多くの人が読んでいるものを僕も読んでいる感じです。

―休日はどのように過ごしているか

 僕にとって休日と言える日はありません。数学のことが常に頭の中にあるので。数学者はみんなそういう癖があると思っています。

―仙台の印象は

 食べ物が違いますね。一番驚いたのが「ほや」でした。福岡では聞いたことがないですし、妻と道を歩いていると、看板に「ほや」の文字があって、何だろうと思ってその店に入ったことがあります。別の日には、スーパーでも「ほや」を見つけました。さらに、ゴールデンウイークにはほや祭りに行って食べてきました。あのクセは忘れられません。

 あとラーメンが気になりました。仙台にはとんこつラーメンがないのですかね。探せば見つかるんでしょうが、人から直接そういった情報が来ないんですよ。出身地の福岡のラーメン店なら、もう目をつぶっても自分の行きたい店へたどり着けるくらい。

 九州大では学生たちと情報交換をしていました。しかし今は東北大で担当する講義がないので、東北大生と関わる機会がなく、そうした情報が手に入らないですね。

―本学の印象は

 以前勤めていた九州大では理学部の各学科が一つの建物の中にあって、僕はそこの数学科で准教授として勤めていました。すぐ隣に他の学科がありましたが、空気が違うせいか、近くても交流はあまりありませんでした。しかし東北大、特にAIMRでは、コーヒータイムという時間に他分野の研究者と話をする機会があります。僕の仕事は声をかけてもらう、または声をかけて初めて他の研究者と関わって研究するのですが、そのきっかけが今まではほとんどありませんでした。しかしまだここに勤めて2カ月弱ですが、このコーヒータイムでさまざまな分野の研究者と気軽に交流し、聞いた話を自分の研究に絡めて考えることができてよかったと思っています。

 九州大で9年半、さまざまな人と出会い、楽しかったですが、一般的にみると九州大に長居しすぎてしまいました。自分の視野が狭いままだと感じてしまうのです。ですから今回、東北大へ来て良かったと思います。

―大学3年生で本を出版したが、そのきっかけは

 僕は京都大の工学部で学生をやっていたのですが、2年生の夏ぐらいから、自分で勉強してきたことをまとめていました。当時はブログもなかった時代ですが、インターネットが普及し始め、個人のネットへの書き込みが流行っていたので、僕もそれに乗って、勉強してきたことをネットに書き込んでいました。それを見た出版社から「本にしてみないか」とメールで誘われたのがきっかけでした。それから1年を経て本になりました。

―学生へ一言

 とにかく学生のみなさんは楽しい大学生活を送ってください。たとえば講義中に寝たり、スマホをいじったりしてしまうのではなく、自分で勉強し、楽しいと思える講義をとってほしいです。

 千葉教授は最後まで穏やかに、取材中はビールを飲みながら語っていた。この光景はきっと、彼を知る九大生にとっては不思議なことではないのだろう。新企画「先生、質問です!」はこれからもさまざまな研究者の素顔に迫っていく。
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