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【オープンキャンパス2019・教員インタビュー】法学研究科・水野 紀子 教授

 水野紀子教授は、民法、特に家族法を専門分野として研究している。本インタビューでは、教授の学生時代のお話や高校生に向けてのメッセージを伺った。


―研究者を志したきっかけは

 女性でも仕事を続けられる法曹になるつもりだったのですが、学生時代に学んだ法律学がとても面白かったのです。この勉強を仕事にできるのなら、と思いました。家族法については、学生時代から疑問を持っていました。民法を適用すれば紛争解決の答えが出るはずなのに、家族法の部分は、当事者の協議に委ねるだけで解決しないのです。研究室に残ってから、それは日本民法のいささか困った特徴なのだと分かりました。

 当時から、自由や平等という短い言葉による正義よりは、具体的な問題に取り組んで、より確実に権利と法益を守る民法の方に魅力を感じていました。複雑さに耐えて思考し続ける大人の学問だと思ったのです。

―自分の講義で意識していることは

 学問の面白さを伝え、その学問の最先端に触れてもらうことで、学生に法学の面白さを分かってもらうことです。そういう意味では、大学教育にはマニュアルはありえないと思います。ある程度は系統立てて全体像を伝える必要はありますが、そういう部分、学生の知的好奇心をかきたてる部分こそが大学の講義の中心だと思っています。

 また、日本の社会の現在と過去、外国の法制度と日本の法制度を比べるように心がけています。別のものと比べてこそ、自分たちのことがよく分かるからです。

―本学の印象を教えてください

 本学には、地頭がよくて真面目な学生が多いです。外部から非常勤の先生を招いて講義をしていただくと、「東北大の学生はよくノートを取りますね」と驚かれます。彼らが4年間で個性的な教員たちの講義を聴いたり、友人と議論したりして成長していくのを見ると、まるでタケノコがぐんぐん伸びていくのを見るようで、教師としての幸福を感じます。

 またOB、OGの方々の愛校心が強いと感じます。本学の学生に優しくしていただいたり、インターンシップを企画していただいたりと、後輩たちを思ってくれる先輩が多いです。

―高校生にメッセージを

 将来の可能性が無限に広がっている、というのは確かに素晴らしいことです。しかし、それは同時にしんどいことでもありますよね。その時期に本を読んで、しっかり悩んで、友人と語り合うこと、それが、そこから先の底力を培う作業になるはずです。期待しています。
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