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丸森町ボランティアレポ ~台風19号の爪痕深く~

 かき出してもかき出しても片付かない泥――。台風19号が東日本を直撃して1カ月余りが経った先月17日、筆者は宮城県内で被害の大きかった丸森町にボランティアとして入った。



 10月12日夜から翌13日未明にかけて東北地方に接近した台風19号は、丸森町を中心に各地で記録的な大雨をもたらした。町内を流れる阿武隈川や五福谷川などがはん濫し、家屋や田畑が浸水。10人が亡くなり、1人が行方不明となっている。同町では至る所で、汚れたり壊れたりした家具や家電などのごみが山積みになり、かき出した泥が家の前に積まれていた。土のうが置かれたままになっている民家もみられた。

 筆者は他のボランティア16人と共に、丸森町中心部に設置されたボランティアセンターから南下し、五福谷川流域の地区で活動を行った。センターからこの地区まで約5分間の移動の間にも、折れ曲がった道路標識や潰れた小屋などが見られ、被害の大きさを物語っていた。

 活動をさせてもらうことになったある民家では、敷地の入口にあったという小さな池が土砂で埋まっていた。道路から母屋までは緩やかな登り坂となっており、入口から奥に進むと5メートル四方ほどの広さのスペースがある。住民の話では畑だったという。ここも土砂で埋め尽くされていた。水路にも泥がたまり、流れが滞っていた。

 五福谷川は台風の接近時、大雨で流されてきた木によってせきとめられ、水があふれ出したという。この民家には床すれすれまで水が来たそうで、周辺の家も浸水したそうだ。水の勢いはすさまじく、置いてあったタイヤを押し流し、トラクターは小屋の下敷きになってしまった。一方で、あふれた水は大量の土砂を残していった。

 スコップでこの土砂を運搬用一輪車に載せて、民家の道路をはさんで向かい側に集積する作業を繰り返す。畑には20〜30センチほどの泥が堆積しており、土砂を掘り返すと、畑に植えられていた作物が枯れた状態で出てきた。土砂の中からは、ほかにもレンガやビンなどが見つかった。

 道路の側には、かき出した泥が集められていた。その高さは約1メートル。最終的には、この土砂の山が道路沿いに15メートルほど連なった。計17人で手分けして泥をかき出すこと約3時間。それでも池や畑だった場所の土砂を完全に取り除くには至らなかった。

 丸森町ボランティアセンターによると、この日同町にボランティアに訪れた人は781人だった。住民が汗を流し、さらにこれだけの人が手伝っても、復旧作業はいまだ道半ば。本格的な復興はこれからだ。現在もボランティアの募集は続いており、本学や丸森町がバスを出している日もある。ボランティアに関する丸森町の連絡先はこちら
ボランティア活動 8741406495191556800
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