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世界初 カクチケル語、脳内処理過程を解明

  本学大学院文学研究科の小泉政利教授らの研究グループは、2月1日のプレスリリースで、少数民族の言語の脳内処理過程を解明したと発表した。同グループは文を話す際に話者が選ぶ語順を決める要因については、出来事を認識・記憶・表現するときの思考の順序である一方、文を理解する際の処理負荷を決める要因は、語順の文法処理の複雑さであることを世界で初めて実証した。




 本研究は中米グアテマラの中部で話されるカクチケル語を研究対象とした。カクチケル語は日本語や英語などと違い、目的語が主語に先行する語順(OS語順)を基本とする数少ない言語の一つ。同グループはカクチケル語の話者が、さまざまな語順で作られたカクチケル語の文を話したり、聞いたりする際の脳活動や思考を調べた=図=。



 実験の結果、カクチケル語話者がさまざまな語順で作られたカクチケル語の文を聞くと、単語間の結びつきの処理を司る脳の部位は、「VOS以外の語順」のときにより活発に働いた。一方で、絵を見て描かれた内容を文やジェスチャーで表現する場合、カクチケル語話者の思考の順序は「SVO」または「SOV」のいずれかだった。以上の結果から、言語の理解しやすさと、話しやすさを決める要因は相異なることが実証された。



 さまざまな言語に関する先行研究から、人間は主語を先に理解することが分かっている。しかしその原因に関しては、人間の脳内処理の観点から主語を先に理解するという「普遍認知説」と、各言語の文法的な基本語順が最も理解しやすいとする「個別文法説」に分かれる。どちらの説が正しいかを決めるには世界中の言語の大多数を占める、主語が目的語に先行する語順(SO語順)に加え、OS語順についても対照的に調べる必要があった。

研究成果 780901716228162967
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