【一言居士】ー2025年6月号ー
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研究で成果を残した人。大会で優秀な成績をおさめた人。弊紙も含め、メディアには華々しく活躍する人々が多く取り上げられている。彼らは読者に活力や勇気を与えているのだろう。しかし、そんな報道に触れ続けることに、どこかしんどさを感じる自分がいた▼「うまくいっている人、成功している人にしか、なかなかマイクを向けられないので。そうではない人にマイクを向けるって、すごく重要なことじゃないかなと思いますね」。NHKの番組「ドキュメント20min.「絶望名言」を探して」で、頭木弘樹さんはそう語った▼メディアが届けられるのは、社会のごく一部だ▼仕方がないことなのかもしれないが、「それでも」と言いたい。必要なのは、届けられなかった、マイクを向けられなかった存在に目を向け続けることなのではないか▼「キャンパスの「今」を読者に届ける」。弊紙の自社広告には、そう謳われている。我々が届ける「キャンパスの「今」」とは何なのだろう。そう語るだけの覚悟が自分にあるのかと、ふと思った。
(文責・藤野こころ)