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【教授インタ】地域活性化を考える 内発的経済発展に向けて

  人口減少や若者の流出、地域産業の停滞――地域をめぐる課題がある。しかし、そもそも地域が活性化した状態とは何を指すのだろうか。地域社会との向き合い方を、人材育成や組織経営に長年関わってきた藤本雅彦教授に話を聞いた。

(聞き手は小宮正希)




ふじもと・まさひこ 本学大学院経済学研究科教授。

地域イノベーションスクール長も務める(写真は本人提供)


▼地域活性化と現在

 地域活性化という言葉は広く用いられているが、その意味は明確ではない。藤本教授は地域活性化とは「地域がにぎやかになること」と述べた。人と人が活発に交流し、社会と経済の両面が豊かになることが地域活性化の目標であると続けた。


 そうした目標をもつ一方で、地域が置かれている現実は厳しい。人口減少や若者流出といった問題がある。このような構造的な問題にはどのような背景があるのか。


 その背景として、若者の求める生産性の高い産業が都市圏に集中しており、地方では生計を立てていくことが難しい点を挙げた。すなわち付加価値産業の都市集中化が人口流出につながっているという。


 そこで、付加価値や生産性の高い企業が地方に存在することが地域に必要な変化だと説明した。宮城県では、1次産業から2次産業へのシフトを目指す「富県宮城」という取り組みがあり、製造業や工場の誘致を進めてきた。しかし、工場誘致などの外発的経済発展は、即効性があるものの、不十分であると述べた。


▼内発的経済発展の必要性

 地域活性化の手段として、しばしば観光振興やイベント開催が注目される。しかしそれは交流人口を増やすことにつながったとしても、定住人口の増加に必ずしも寄与しない。




 一般的な経済発展には「外発的経済発展」と「内発的経済発展」がある。前者は企業や工場誘致、公共事業の増加等からの発展を指す。後者は地元企業から雇用を創出し、定住人口を増やし、地域内での交流や雇用創出からの発展を指す。


 現在、グローバリズムの下、人件費の安い地域に工場を移転させることは容易に想像できる。前者の施策は、即効性があるが持続性がない。後者による持続可能な成長が不可欠とした。


 とはいえ、地域内では十分に雇用を創出できない現実もある。その背景について、地域に存在する大半の企業は中小企業であるが、雇用吸収率が高い企業は一部の成長企業に偏っている。政策財源が限られる中、成長可能性のある企業を見極め支援することが求められると語る。


▼地域を支える人材と大学

 地域企業の成長を支えるのが人材だ。企業は経営者の能力以上には成長しない。また、経営者一人ではなく優れた幹部人材が不可欠だ。従って、地域で希求されるのは優秀な経営者と経営幹部だ。そうした人材を育成するためには、経営者同士が刺激を与え合う機会の創出と、マーケティングなどのマネジメントスキルの習熟が必要だと述べた。


 こうした考えの下、藤本教授は本学で、地域イノベーション研究センター長(2025年4月より、地域イノベーションスクール長)として、経営者同士が学び合える場を提供してきた。しかしこのような場は、工場誘致などの外発的な施策と比べて効果が見えにくい側面がある。藤本教授は、こうした取り組みは地道にやり続けるしかないと語った。 


 さらに、人材育成と並行して重要になるのが、大学の役割だ。大学は大学発スタートアップの創出を通じて、新たな産業や価値を地域に生み出す可能性を持つ。ビジネスやマーケティングの知識不足はあるものの、地域産業の活性化に重要な役割を果たすと述べた。


 最後に、地域活性化に関わりたい学生へ向け「地元が好き、地域活性化をしたいからといって、新卒で地方に就職したり、ベンチャーにいきなり入ったりすることはおすすめしない。いきなりベンチャー経営者のような思考はできないからだ。金魚は大きな鉢に入ったほうが大きく育つ。一度大手企業などでもまれ、成長してから、地方で自分に何ができるかを考えてはどうか」と語った。

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