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【ネタ記事・高校生向け】センター物理教えてみた

 読者の中にも、数年以内に受験期を迎える方もいるだろう。「努力」の二文字の意味が大きな意味合いを持ち始め、その時の「努力」の度合いが自分の人生を大きく左右する。我々報道部員もその苦悩は味わってきた。不安に駆られ悶々とする日々、試験のことを思い眠れなくなる夜、参考書を開けると襲いくる眩暈や動機。まるで恋をしているように錯覚してしまいそうだが、すべての原因は嫌悪感である。



 しかし、我々は何もただがむしゃらに頑張っていたわけではない。子供の時から夢見たキャンパスライフを思い描き、日夜勉学に励んでいたわけである。サークル、バイト、一人暮らし、彼女など今までの人生とは違った道を歩もうではないかと期待に胸を膨らませ、苦しい日々を乗り切った(ちなみに私は報道部で新聞を作り、2つのバイトを掛け持ちし、優雅な大学生活をパソコンの中の嫁と過ごしている。難点は嫁がシャイで画面から出てこないぐらいだろうか)。

前置きが長くなったが、自分が何を言いたいのかというと、現在の自分は「努力」をしているのかどうかということだ。ぐうたらと日々を無駄に過ごし、大学入学当初は無遅刻無欠席だった自分はいまや、朝に目が覚めれば一限が終わっているということもしばしば。このままでは親と教授に土下座をする羽目になると危機感を覚えた私は初心を思い出し、また勉学に励もうと、物理学を一から学ぼうと決心したのである。いつも通り他の部員を巻き込み、ついでに物理の素晴らしさを布教しようと物理未選択者に物理を教えることになった。しかし本来の大学の勉強を放っておくことはできない……。迷った私は24時間以内にすべてを終わらせようと思い至った。最後にセンター試験まで解かせて平均点近くをとれた人間にはご褒美を与えればやる気が出てくるはず。そういうわけでご褒美という餌を目の前にたらし、この企画に参加させた。もちろん餌には24時間勉強という針がついている。 
 

 企画が始まるとき部室には4人の生徒と4人の講師、そして2人の部室の住人の計10が揃っていた。部室の住人とは部室で衣食住を済ませるエリート報道部員のことである。勉強が始まると同時に部室の住人が食べ物の調理に入り始める。ステーキを焼き、ビールを飲み、宴会を始めるなど好き放題やっているのを横目に企画を進行していく。アリとキリギリスを思い出しそうな風景だが、今勉強していることはほとんど意味がない。常夏のハワイでアリがせっせと餌を運んでいる横で、優雅にワインを飲んでるキリギリスが「プギャー、何運んでんのあいつらwww」と言っている図を想像してしまう。ああ、待てど暮らせど冬は来ない。

 高校の物理学は力学、電磁気学、波動、熱力学、原子の分野に分かれる。今回は物理Ⅰの範囲である力学の序盤と電気、波動を教えた。力学にやや重点を置き、波動はやや捨て気味に教えていく。最初のころは生徒をいじめる、もとい教えるのが楽しかったが5時間を越えてくると講師、生徒ともにきつくなってくる。10分程小休憩を入れると机に突っ伏す生徒、床に寝ころぶ講師、腹を出して寝ている部室の住人で地獄絵図が出来上がる。講師陣は休ませ、生徒を叩き起こし、部室の住人には蹴りを入れておく。生徒の中には手を動かさず、うつろな目で黒板を見つめている者もいたが、働かない頭を無理やり働かせ力学の公式を詰め込ませる。夜中の4時を過ぎてくると苦しさが限界を突破し、もはや快感すら覚えてくる。

 夜が明け、日が差してきたころに力学が終わり、朝飯がてらまた休憩に入る。講師が私からK野に代わり、私の意識はここで途切れる。生徒曰く、何故かカーテンを羽織ったまま授業をしていたらしい。私が目覚めると、電気と波が終了しており、ひたすら演習問題を解く時間が始まる。始まりから23時間が経過し、最後にセンター試験を解かせ、24時間にわたる勉強が終了した。結果は44点、57点、26点、96点という平均点が55.75点と素晴らしい結果を残せたと思う。え、何かおかしいって?2人ほど極端に点数がおかしい人がいる気がするって?世の中統計学で成り立っているので気にしてはいけない。

  私は努力をしたのだろうか疑問は残るが、良い思い出になったと思う。「努力」とは良くなるか悪くなるかはわからないが必ず何かしらの糧にはなる。人生80年生きるうち10年ぐらいは死ぬ気で頑張れば良い人生になると思う。その10年の1年を受験に持ってきてはいかがだろうか。

注:この記事は平成25年度7月OC号として掲載されたものを改訂したものです。
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