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【ネタ記事】「日本一」をさがす旅in宮城 ~なれないなら、さがせばいい。~

 〈春風や闘志抱きて丘に立つ〉。フレッシュな気分で新年度を迎え、やる気に満ちる4月。青葉山のクマも長い冬眠から覚め、人間を脅かしだす。生命の息吹に溢れ、まさに森羅万象が「闘志抱きて」すっくと立つ季節だ。




 ふと、テレビに目を移す。春のセンバツ高校野球の放送だ。彼らの熱い闘志は、「日本一」を目指して燃えている。日本一――。まばゆい冠を求めて人は誰しも奮い立つ。しかし、筆者にそんな実力はない。「目指せないなら、探せばいいじゃない」。心の中のマリー・アントワネットがささやく。そうか、「日本一」を探し求め、春から縁起を良くしよう! ここ宮城県の「日本一」はどこに――。気になって仕方ない筆者は報道部室を飛び出した。

・地下鉄東西線八木山動物公園駅

 「日本一高い場所にある地下鉄駅」として、日本地下鉄協会から認定されている。駅の標高は、136・4㍍。ホームのエレベーターや駅屋上に「136・4㍍」の案内表示があり、案内板に描かれた動物たちが誇らしげな笑顔を向けている。

・支倉常長

 伊達家の家臣で慶長遣欧使節団として渡航した支倉常長。実は、「日本で初めてチョコレートを食べた人物」らしい。南キャンパスのロータリーを国際センター方向に下っていくと常長像がある。チョコっと甘い顔立ち。

・日和山

 宮城野区蒲生にある日和山は、「日本一標高の低い山」として知られる。以前の標高は6・05㍍だったが、2011年3月に発生した東日本大震災に伴う津波の直撃と地盤沈下によって標高が3㍍に。震災前の日和山をしのぶメッセージが案内板につづられていた。

 1996年に国土地理院の地形図に大阪の天保山(標高、4・53㍍)が掲載され、一時「日本一」の座を譲り「元祖」に甘んじた。しかし、14年の調査で標高3㍍が認められ、再び「日本一標高の低い山」となった。

・タンス支出金額

 総務省統計局の平成27年度「家計調査結果品目別データ」で、仙台市はタンスの支出金額が8784円と日本一高い。仙台とタンス? 疑問が湧いた筆者は青葉区本町にある「仙台箪笥歴史工芸館」へ。職員の白井睦美さんは「仙台箪笥は仙台藩の地場産業で、武士が家具に愛用しました」と話す。仙台とタンスは江戸末期から歴史があり、明治・大正期にはヨーロッパに輸出されたという。「仙台箪笥は経済産業省の伝統的工芸品にも指定されました」と白井さん。仙台の暮らしに伝統と歴史を継承している。

・中村さん

 中村さんは全国で約104万人、人口1000人当たり8・18人いる。しかし、宮城県内では人口1000人当たり2・75人で「日本一中村さんが少ない県」とのデータもある。中村千尋さん(法・2)に話を聞くと、「あまり意識したことなかったですね」とそっけない。読者の中にも中村さんはいるはず。ぜひとも「日本一中村さんが少ない県の中村です」と堂々と自己紹介して欲しい。

 「日本一」を探し求めて歩き回った筆者。ここで闘志も尽き果てた。気が重い春。〈春眠暁を覚えず〉という言葉もある。
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