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【研究成果】空飛ぶ消火ロボット開発 ~消火活動の迅速化に期待~

 本学情報科学研究科の田所諭教授、昆陽雅司准教授、多田隈健二郎准教授、安倍祐一助教、社会人博士課程の安藤久人(福島県ハイテクプラザ主任研究員)さん、八戸工業高等専門学校の圓山重直校長、国際レスキューシステム研究機構らのグループが空飛ぶ消火ロボット「ドラゴンファイヤーファイター」の開発に成功した。実用化すれば、危険な火災現場でも消火活動をロボットによって行うことができる。




 「ドラゴンファイヤーファイター」という名称の由来は、中国の春節を祝う「龍舞」という儀式にある。「龍舞」で龍の人形を複数人が棒を突き上げて操る姿が、水でホースを浮きあげるのと同じ構図になっている。ドラゴンファイヤーファイターも龍舞のように自由に空中を動くことを目標としている。

 ドラゴンファイヤーファイターは、ノズルモジュールからの水噴射によってホースを浮上、操作して空を飛び、火災の火元に水を直接放射するロボット。ホースの操作を水圧の変化ではなく、水噴射の向きによる反力ベクトルによって行うため、水の量を調節するための装置が必要ない。そのため、シンプルなつくりながら自由な操作を実現できた。

 ドラゴンファイヤーファイターは、内閣府総合科学研究所・イノベーション会議が主導する革新的研究開発プログラム(ImPACT)のタフ・ロボティクスチャレンジの一環として開発された。タフ・ロボティクスチャレンジは、今までのロボットでは立ち入ることのできなかった環境を乗り越えることをテーマとしており、初めは空気で浮上する索状ロボットの開発が行われていた。そこで、空気と同じく流体である水を使って浮上する索状ロボットを開発するアイデアが生まれた。

 浮上に水を使うという点から、火災の消火に活用できるロボットを作ることになった。これまでは建物火災のような閉所での消火活動は、火元に直接水を放射することは難しく、延焼を防ぐにとどまっていた。しかしドラゴンファイヤーファイターが実用化すれば、建物内の火元に直接水を放射することができる。また、水圧も高いため、従来のホースによる消火よりも高い効果が見込める。

 ドラゴンファイヤーファイターの今後について、本学情報科学研究科の昆陽雅司准教授は「現在は実用化のために開発を進めている。まずは3年以内に実際の火災現場に近い環境下での実用性の確認が目標。また、消防メーカーと連携しての開発も行っている」と語る。開発計画はモジュールを増やしてホースの長さを伸ばす、ホースの先に搭載したカメラを用いて、熱源の自動検出と消火の自動化などさまざまだ。ドラゴンファイヤーファイターの実用化によって、火災現場での消火活動が迅速化するだろう。
研究成果 6296788071217864533
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