【研究成果】無人機で通信網を形成 ~孤立地域への通信が可能に~
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直接通信できない二地点間を、小型無人航空機を用いて空中に構築したネットワークでつなぎ、双方向でメールを送受信する実験に、情報科学研究科の加藤寧教授、西山大樹准教授らの研究グループが成功した。同研究グループは、東日本大震災のような大規模災害の発生直後に情報通信や状況把握を可能にする手段として無人航空機を用いたネットワークの開発に取り組んでおり、今回の実験でその実現性が示された。
実験は今年2月に本学青葉山キャンパスで行われた。孤立地域に見立てた地点と安全地域に見立てた地点、約700m間を無人機による応急ネットワークでつなぐ試みだ。
今回用いられたのは、大小2台の小型マルチコプター(多翼のヘリコプター)に地上のスマートフォンと直接通信できる装置を載せたものだ。大型で自律飛行可能な機体Aは安全地域上空と孤立地域上空を往復し、情報の収集・一時的な蓄積・物理輸送を行う。小型で自律姿勢制御のみ可能な機体Bは安全地域上空に常駐し、その地域の拠点として情報の中継を行う。また地域内同士の通信も可能にする。どちらの機体も地上に特別な装置は必要とせず、上空に飛ばすだけで通信を行える。
実験ではこれらを用い、機体Aのみによる孤立地域から安全地域へのメール送信と、両機体による安全地域から孤立地域へのメール送信を行った。両機体は割り振られた役割を果たし、実験は見事成功した。孤立地域から安全地域へのメール送信では成功率86%を記録した。
今後の課題は、ネットワークの速度や安定性の向上、広域化、また画像送信や音声通話などといった通信内容への対応も視野に入れた運用方法の確立だという。また一口に無人機と言っても、今回のような回転翼機の他に固定翼機などがあるほか、大きさや性能の違いもあり、種類はさまざまだ。こうしたことを踏まえて研究グループは、無人機の組み合わせ方や役割分担、それぞれの飛行速度、飛行経路といった高度な運用方法を研究・開発していくという。目指すは、意識しなくても平時通りに使える応急ネットワークシステムの構築だ。本学には無人機自体の開発を行っている研究所もあり、ソフト面とハード面、両面での本学の活躍が期待される。
「無人機には時間的・空間的制約が存在しない。この特性を活かして発災後の状況把握・情報通信の空白の数時間を埋めたい」と西山准教授は意気込む。しかし、「我々はまだ実現性を示したに過ぎない。実用化には必要性を認めてもらう必要がある」。まだ越えるべき壁は多いが、いつか来る巨大災害、無人航空機が我々を救う未来は着実に近づいてきている。
実験は今年2月に本学青葉山キャンパスで行われた。孤立地域に見立てた地点と安全地域に見立てた地点、約700m間を無人機による応急ネットワークでつなぐ試みだ。
今回用いられたのは、大小2台の小型マルチコプター(多翼のヘリコプター)に地上のスマートフォンと直接通信できる装置を載せたものだ。大型で自律飛行可能な機体Aは安全地域上空と孤立地域上空を往復し、情報の収集・一時的な蓄積・物理輸送を行う。小型で自律姿勢制御のみ可能な機体Bは安全地域上空に常駐し、その地域の拠点として情報の中継を行う。また地域内同士の通信も可能にする。どちらの機体も地上に特別な装置は必要とせず、上空に飛ばすだけで通信を行える。
実験ではこれらを用い、機体Aのみによる孤立地域から安全地域へのメール送信と、両機体による安全地域から孤立地域へのメール送信を行った。両機体は割り振られた役割を果たし、実験は見事成功した。孤立地域から安全地域へのメール送信では成功率86%を記録した。
今後の課題は、ネットワークの速度や安定性の向上、広域化、また画像送信や音声通話などといった通信内容への対応も視野に入れた運用方法の確立だという。また一口に無人機と言っても、今回のような回転翼機の他に固定翼機などがあるほか、大きさや性能の違いもあり、種類はさまざまだ。こうしたことを踏まえて研究グループは、無人機の組み合わせ方や役割分担、それぞれの飛行速度、飛行経路といった高度な運用方法を研究・開発していくという。目指すは、意識しなくても平時通りに使える応急ネットワークシステムの構築だ。本学には無人機自体の開発を行っている研究所もあり、ソフト面とハード面、両面での本学の活躍が期待される。
「無人機には時間的・空間的制約が存在しない。この特性を活かして発災後の状況把握・情報通信の空白の数時間を埋めたい」と西山准教授は意気込む。しかし、「我々はまだ実現性を示したに過ぎない。実用化には必要性を認めてもらう必要がある」。まだ越えるべき壁は多いが、いつか来る巨大災害、無人航空機が我々を救う未来は着実に近づいてきている。