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【ネタ記事】24時間着衣麻雀 厳しい残暑、厚着の地獄

 某日、我々報道部麻雀課は24時間麻雀に挑もうとしていた。勉強への意識は地の底に落ちた我々であったが、麻雀への意識は非常に高い。「24時間麻雀を打ち続ける? そんなの簡単やん?」この不用意な一言が後々大惨事を引き起こすことなどつゆ知らずに筆者は言い放った。こんな生ぬるい企画では数々の修羅場を乗り越えてきた先輩方に申し訳が立たない。そこで我々は24時間麻雀に着衣というペナルティを自主的に課すことにした。ルールは単純にして明快。麻雀に負けた人が服を重ね着していき、負け分を挽回したら服を脱ぐことができるというものであった。 


 早速、夕方6時より企画を開始する。開始から9時間が経過した午前3時、企画主である筆者が順調に負けていき、負け分が70を上回った。「えー、また俺が着るのかよ。暑くて死にそうだ」と言いつつも企画主として筆者がピエロを演じるおいしい展開。ルールでは負け分の一桁目を四捨五入して二桁目の数字の分だけ服を着ることとなっていたので、筆者はこの時点では7枚の服を重ね着していた。

 翌朝10時、企画を部室で行っていた我々であったが、部室で取材があるということで場所を移動。某蜂カフェの野外席にて麻雀を続けることにした。今まではピエロを演じてきたつもりであったが、直射日光の炎天下で7枚の重ね着ともなると、話が変わってくる。滝のような汗が滲み出てきた。一刻も早くこの状態を脱さねば……。幸運なことにメンツは筆者以外全員一年生であった。「お前ら悪いな。勝たせてもらうぞ」と心で思いつつ、前半戦とはうって変わってエンターテインメントの欠片もない真剣勝負で麻雀を打ち始めた。しかし、そんな心情とは裏腹に「あ、ツモです!」と一年生の元気な声が響き渡る。俺は悪いことを全くしていないのになぜこんなに負けなければいけないのか。振り込んでいないはずなのにとてつもない負けっぷりでさらに6枚の重ね着を余儀なくされた。


 麻雀の理不尽さへの怒りと物理的な暑さで脳みそが沸騰寸前の昼下がり、13枚の重ね着で麻雀牌を取ることもままならない。場決めにおいても一年生が日頃の恨みのせいか筆者を日向側に座らせる暴挙に出て、コンディションは最悪であった。だが、人間は窮地に追い込まれると不思議な力が発揮されるものである。カンチャン、ペンチャンなんのその。面白いように手が進む。勝ちに勝ちを重ねてとうとう借金を完済した。こんなにも服を脱ぐと、身体は軽いのか。約18時間ぶりに元の姿に戻った筆者は幸せに浸っていた。この勢いはまだまだ続く。筆者の理不尽なツモと合わせて同じくノリノリのT氏の雷撃で取材にて一時離脱していたN氏をフルボッコ。結果としてN氏が筆者を上回る16枚の重ね着をして無事に企画が終了した。無類の麻雀好きが集まる当課の人間でさえもさすがに24時間は疲労困憊。開幕から高い意識を保ち続けるのは不可能であったようだ。「麻雀はしばらくやらなくていいです」と弱音を吐く部員であったが、結局翌日から当課は平常運転であった。


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