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【ネタ記事】あの子に会いたい… ~妄想?クリスマスデートやってみた~

クリスマスが今年もやってくる。敬虔なキリスト教徒であればクリスマスとはイエスの生誕を家族で厳かに祝う日なのであるが、ここ日本ではいつしか恋人たちが愛を語らう日というイメージが定着している。街中にクリスマスツリーが飾られ、テレビをつければクリスマスソングが流れる。クリスマスに恋人がいないことが恥ずかしいことかのように。
365分の1日だけでも彼女が欲しい。せめて、全国の恋人たちが一斉に愛を語らうクリスマスイブだけでも。神頼みするしか筆者には選択肢が残されていなかった。
神は吾らもとい吾を救い給うのだろうか。お告げをもとに仙台駅に向かう筆者。そこには夢にまでみたあの娘がいた。彼女は僕に会うために、忙しいスケジュールの合間を縫って仙台にまでやってきたのだという。千載一遇のこのチャンスを逃すわけにはいかない。僕らは仙台の街へと繰り出した。
仙台の街には様々なデートスポットがある。動物園や遊園地に光のページェント。いったいどこに彼女を連れていけば満足してくれるのだろうかと筆者は戸惑った。彼女からは意外な答えが返ってきた「あたしアンパンマンミュージアムに行きたい」。
クリスマスにアンパンマンミュージアムに行きたいなんて変わってるなと内心思いつつ、彼女の天然不思議系なキャラクター的にはありえなくない行動パターンであると納得する。彼女が普段描くワニやウサギがしゃべるファンシーなおとぎ話みたいなイラストとアンパンマンの世界観とは相通じるものがある。親子連れで賑わうミュージアムの中に僕たちは入った。
館内のいたるところにアンパンマンやその仲間たちの姿があり、記念撮影をした。少し疲れたのでカフェで一息つくことに。彼女が好きなガトーショコラはなかったけれど、チョコサンデーにご満悦の様子。ホラーマンに手を振る僕たち、しかしここでハプニングが起きる。僕たちの方を見てホラーマンがこけたのであった。若干悪い予感がしつつもお土産にパンを買ってミュージアムを出た。
次に僕らが向かったのは仙台城址。伊達政宗像を見れば仙台に来たことを実感する。夕暮れともなると城址には他に誰も人がいない。ここで夜景を見ながら彼女が放った「東京の方がきれい」というストレートな言葉に僕はたじたじになった。
気をとり直してページェントに。ページェントはいまや仙台の冬の風物詩。イルミネーションで飾られた街並みは幻想的だ。カップルが多く、人通りはいつにもまして多い。彼女とはぐれないように気をつかわなければならない。サンタの格好をした人に写真を撮ってもらった。サンタの人が苦笑いしていたことが気にかかる。
ディナーはイタリアン。ピザを注文し、ワインで乾杯する。二人ともあまりお酒は強くないので一杯でほろ酔いに。
楽しい時間はすぐに過ぎゆくもので彼女は新幹線で帰らなくてはいけないという。デートの余韻に浸りたいところだったが疲れていたので家に帰るとすぐ寝てしまった。
目を覚まし、撮った写真を見直してみるとそこに写っていたのはクリアファイルとうちわだけ。昨日の出来事は全て幻だと分かった。それでもこのデートは生涯忘れられない楽しい思い出となることだろう。やっぱり「人生は、夢だらけ」。


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