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【特集】国連防災会議 仙台防災枠組採択 ~世界初の達成目標示す~

 3月14日から19日未明にかけて行われた第3回国連防災世界会議。2030年までの国際的な防災行動指針を示す「仙台防災枠組(Sendai Framework for Disaster Risk Reduction)」及びその実現を目指す政治宣言「仙台宣言(Sendai Declaration)」が採択された。「Build Back Better(被災地を災害以前の状態に復旧するだけでなく、より良い状態に復興すること)」など、議長国となった日本が主張した内容も多く含まれた枠組となった。










 枠組においては今後15年の期待される成果として、「人命・暮らし・健康と、個人・企業・コミュニティ・国の経済的、物理的、社会的、文化的、環境的資産に対する災害リスク及び損失の大幅な削減」を目指す。この達成のために法律や教育、制度といった包括的かつ様々な手段を用いて「新たな災害リスクを予防し、既存の災害リスクを減少させる」とのゴールを追及する。
 18日午前に予定されていた採択が19日未明までずれ込んだように、議論は難航した。会議の中では国際協力について途上国が、進む環境問題が災害に影響を与えていることを踏まえ、「共通だが差異ある責任」の考えを防災にも適用するべきだと主張した。一方先進国は各国が防災の一義的な責任を持つべきとするなどの対立も見られた。
 今回の枠組においては、当初期待されていた減災における数値目標の組み込みは見送られた。ただ、世界の達成目標が初めて明示され、国際的な合意が得られたのは大きな進歩だろう。会期中行われたシンポジウムなどでは、防災政策に対する参加者の熱心な意見交換が行われた。2011年に東日本大震災を経験した仙台での開催や、会期中サイクロンに襲われたバヌアツの被害は、各国に対し防災の必要性をより考えさせるきっかけにもなった。
 将来的には今回見送られた数値目標を設定し、さらなる減災に向けた取り組みがなされることに期待したい。本学においても防災研究を進め、その成果を世界に発信していくことが求められている。今後は新技術の開発だけでなく、その運用・効果の測定まで含めた総合的な視野を持ち発信していくことが不可欠であろう。
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