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【特集】国連防災会議 農学セミナー開催 ~農業の今と未来を考える~

 3月14日、国連防災会議の一環として、本学川内北キャンパス講義棟にて本学農学研究科東北復興農学センター主催のセミナー「Model Villageをつくろう」が行われた。これは昨年度前期に開講された「復興農学」の講義を受講した学生・社会人が中心となって企画したものである。40人程度の参加者は主に大学生や社会人であったが、中には中学生の姿もあった。冒頭の挨拶で中井裕センター長は「10人来てくれればいいかなと考えていた。こんなに参加してくれて嬉しい」と冗談まじりに安堵の表情を浮かべた。

 セミナー会場は「農業がかっこいい」「How to produce biomass energy in your area」「森林の防災機能と多面的機能を生かした農村の提案」「地域の安全と環境を守る農業、その活性化について考える」という4つのテーマにテーブルが分けられた。前半部でテーマについてのレクチャーを受けたうえで後半にテーブルのメンバーとそのテーマについて話し合う形式。今回は「ワールドカフェ」形態が採られ、参加者はいつでもテーブルを離れ、興味のあるテーマのテーブルに移動することが出来る。  
 「農業がかっこいい」のブースに参加した男性は「かっこいい、という言葉はあまりしっくりこない。周囲から見ればかっこいいのかも知れないが、農業をやっていた私からみればくさい、きつい、汚い。しかしそこにある種の郷愁を覚えることも事実。かっこいい以外の肯定的な言葉を考えられないか」と指摘。このブースでは農業が重要であるとの認知が一般の人々にされていないのではないかという観点から議論が進んでいた。「地域の安全と環境を守る農業」では担当する伊藤豊彰准教授から、有機栽培にもまだ収穫量などの解決すべき問題があることがレクチャーされた。また都市と農村を1つのかたまりで捉え、効率的な農村管理を行うという提案もされた。「森林の防災機能」のブースからは、東日本大震災における津波での森林の役割について述べられていた。
 最後は各テーブルで議論されたことを全体で発表し、終了となった。
 TPP、農政改革などで近年農業関連の報道が多くなされている。 農業は人間が生きて行くうえで必要不可欠なものであるが、それは食事という観点からだけのものではない。より大きい「生活を守る・支える」ためという観点からも重要なのである。自分には関係ないことだ、と無関心でいるのではなく、農業とどのように関わることができるのかを考える必要があるだろう。
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