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アースデイ講演会 開催 ~花輪理事 気候変動を語る~

 仙台市天文台が毎年開催しているアースデイ講演会が先月23日、同天文台内の加藤・小坂ホールにて開催された。本学理事の花輪公雄教授(理学研究科)が講師を務め、「エルニーニョと日本の天候」というテーマで講演した。

 国際連合が2009年の総会で、4月22日を「International Mother Earth Day」とすることを採択したことから、同天文台で10年からこの日の前後にアースデイ講演会を開催している。講演会は市民に地球環境についての知識を普及することを目的としている。これまでに地球温暖化や大気と海の相互作用などについて講演を行ってきた。天文台長と花輪教授が旧知の仲であることから、10年に講演会が始まって以来、毎回花輪教授が講師を務めている。
 講演会で花輪教授は、今年の冬が暖冬であったことを気象庁のデータで示し、その原因が14年に発生したエルニーニョであると解説。エルニーニョの発生原因や語源、ラニーニャとの関係についても説明した。
 花輪教授は次にテレコネクションパターンについて解説した。これはTele(遠い)とConnection(結合)を合わせた言葉で、地球規模で高気圧と低気圧が波のように連なっているもの。これまでに十数例が見つかっているが、一部を除きどのように発生するか明らかになっていない。エルニーニョ時には、北半球太平洋上にあるテレコネクションパターンが、一つまたは複数発生することが分かっている。この発生により日本付近の季節風の吹き出しを弱める効果がある。
 最後に、エルニーニョとラニーニャはテレコネクションパターンを発生させ、夏や冬の天候を変化させる「短期気候変動の主役」であると講演を締めくくった。
 講演の合間には、新聞に掲載されている川柳の中から天気に関する面白いものや、エルニーニョにより日本で豆腐の価格が上昇したことなどを紹介し、来場者は興味深く聴講した。
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