(過去記事)【ネタ記事】新入生やり直し ~新歓に潜入してみた~
https://ton-press.blogspot.com/2016/07/blog-post_26.html
4月某日、春になった本学はたくさんの新入生と新歓活動で賑わっていた。筆者が、不安げな、それでいて楽しげな新入生を微笑ましく見つつ、キャンパスを我が物顔で闊歩しているとあることに気付いた。「もう新1年生として扱ってもらえる至福の時を過ごすことはできない」。どうにかしてもう一度あの時をプレイバックしたい、大学生活をやり直したい。しかし、そんなことはタイムマシンでもない限り到底できそうもない。絶望しかけたその時悪魔が筆者にささやきかけた。「他大学の新歓に忍び込めよ」。よし、そうしよう。潜入するのは東北福祉大学硬式テニスサークルWINGS。中学時代将棋部の窓から見たテニス部からは青春の匂いがした。そのおこぼれにあずかればタイムマシンは作れなくてもLOVEマシンぐらいなら作れるだろう。
筆者が東北福祉大に行くのは今回が初めてだ。「自分の経歴を詐称するのだからこれでは活字に起こせないあの人と同じだな」ショーンなK(考え)も国見キャンパスの新鮮な空気の前に消え去ってしまった。桜を眺めながらゴミ箱にもたれかかっている筆者の目の前には人だかりができていた。意を決して輪の中に入ると声をかけられた。「君もWINGSを見に来てくれたの?」どうやら合流することに成功したようだ。練習が行われるテニスコートまではタクシーで移動することになった。1年生として質問に答える懐かしい感覚に浸っていると早くも目的地に到着。
さっそくテニスをすることになるのだが、悲しいことに筆者にはテニスの経験が全くない。硬式テニスを公式なものだと勘違いしていたほどのテニス音痴だ。当然テニス経験者と試合をしてもまともなゲームにはならない。しかし筆者の目に自分と双璧をなす実力の持ち主が飛び込んだ。何を隠そう彼こそが今回の企画に同行してくれた部員Kである。2人でテニス、……いや、サーブの打ち合いをしている最中、Kが「俺たちいったい何やってんだろうな」と無表情で問いかけてきた。このままでは帰れないので恥を忍んで先輩(同級生)に教えを乞うとありがたいことに、テニスのイロハを伝授してもらうことになった。テイクバック、スピン、耳慣れない言葉に戸惑いながらも練習を続ける。その甲斐あってかわずかながらラリーをすることに成功した。この結果にKも表情を取り戻す。テニスの楽しさに目覚め、やり直し1日目は幕を下ろした。
後日筆者は仙台駅ステンドグラス前に立っていた。WINGSの新歓花見に参加するためである。部員の方々と合流。自分の名前が書かれた名札をもらい出発する。道中でなぜか姿をくらます人が出る、信号に2回連続で引っかかるなど波乱もあったがどうにか目的地である榴岡公園に着く。花見では初めに部員と新入生合わせて40人近くが自己紹介を行うことになる。練りに練った渾身の自己紹介を披露するも声量が足りずあえなく不発。(いたたまれずに聞こえないふりをされたのかもしれない)残念なところだけは去年の黒歴史を忠実に再現してしまう。そんな悲しいやり直し。
しかし筆者はめげない。そもそもこんなところでめげるならやり直し企画などしなければよいのだ。気を取り直し少人数に分かれての食事に参加する。ふるまわれる持参の手料理はどれもおいしく、大学に入ってからというものコンビニ弁当で腹を満たしてばかりいる筆者は不覚にも目頭を熱くしてしまった。食事と同様に会話も楽しんでいた筆者であったが、先輩(同級生)が言葉の中に鋭いナイフを仕込んでくるのには少々閉口した。「学部はどこだっけ?」「授業はどう?」ほかの人にとっては何気ない質問に映るかもしれないが、部外者にとってこれほど油断ならない質問はないといえる。これ以上留まっていてはぼろをだしてしまうと考えた筆者がバイトを口実に抜け出したところで2日目も幕を下ろした。よくよく考えればこの時期にバイトをやっている新入生がいるだろうか。いや、決していない。
以上が大学生活やり直しのてん末である。この企画に意味はない。あるのはただ純粋な勢いだけである。
筆者が東北福祉大に行くのは今回が初めてだ。「自分の経歴を詐称するのだからこれでは活字に起こせないあの人と同じだな」ショーンなK(考え)も国見キャンパスの新鮮な空気の前に消え去ってしまった。桜を眺めながらゴミ箱にもたれかかっている筆者の目の前には人だかりができていた。意を決して輪の中に入ると声をかけられた。「君もWINGSを見に来てくれたの?」どうやら合流することに成功したようだ。練習が行われるテニスコートまではタクシーで移動することになった。1年生として質問に答える懐かしい感覚に浸っていると早くも目的地に到着。
さっそくテニスをすることになるのだが、悲しいことに筆者にはテニスの経験が全くない。硬式テニスを公式なものだと勘違いしていたほどのテニス音痴だ。当然テニス経験者と試合をしてもまともなゲームにはならない。しかし筆者の目に自分と双璧をなす実力の持ち主が飛び込んだ。何を隠そう彼こそが今回の企画に同行してくれた部員Kである。2人でテニス、……いや、サーブの打ち合いをしている最中、Kが「俺たちいったい何やってんだろうな」と無表情で問いかけてきた。このままでは帰れないので恥を忍んで先輩(同級生)に教えを乞うとありがたいことに、テニスのイロハを伝授してもらうことになった。テイクバック、スピン、耳慣れない言葉に戸惑いながらも練習を続ける。その甲斐あってかわずかながらラリーをすることに成功した。この結果にKも表情を取り戻す。テニスの楽しさに目覚め、やり直し1日目は幕を下ろした。
後日筆者は仙台駅ステンドグラス前に立っていた。WINGSの新歓花見に参加するためである。部員の方々と合流。自分の名前が書かれた名札をもらい出発する。道中でなぜか姿をくらます人が出る、信号に2回連続で引っかかるなど波乱もあったがどうにか目的地である榴岡公園に着く。花見では初めに部員と新入生合わせて40人近くが自己紹介を行うことになる。練りに練った渾身の自己紹介を披露するも声量が足りずあえなく不発。(いたたまれずに聞こえないふりをされたのかもしれない)残念なところだけは去年の黒歴史を忠実に再現してしまう。そんな悲しいやり直し。
しかし筆者はめげない。そもそもこんなところでめげるならやり直し企画などしなければよいのだ。気を取り直し少人数に分かれての食事に参加する。ふるまわれる持参の手料理はどれもおいしく、大学に入ってからというものコンビニ弁当で腹を満たしてばかりいる筆者は不覚にも目頭を熱くしてしまった。食事と同様に会話も楽しんでいた筆者であったが、先輩(同級生)が言葉の中に鋭いナイフを仕込んでくるのには少々閉口した。「学部はどこだっけ?」「授業はどう?」ほかの人にとっては何気ない質問に映るかもしれないが、部外者にとってこれほど油断ならない質問はないといえる。これ以上留まっていてはぼろをだしてしまうと考えた筆者がバイトを口実に抜け出したところで2日目も幕を下ろした。よくよく考えればこの時期にバイトをやっている新入生がいるだろうか。いや、決していない。
以上が大学生活やり直しのてん末である。この企画に意味はない。あるのはただ純粋な勢いだけである。